エアコン vs 人間!ガチンコサーモバトル(温度調節対決) - physica

暑い夏や寒い冬、室内で快適に過ごすために欠かせない家電がエアコンですが、実は私たちの体にも驚くほど高性能な体温調節機能が備わっています。

もしも「人間の体温調節機能」と「エアコンの温度調節機能」がガチンコ対決したら、一体どちらが優秀なのでしょうか?

今回は、センサー機能・パワー・コストの3ラウンドで徹底比較(対決)してみたいと思います。

ラウンド1:センサー機能対決

まずは、温度を察知して制御するセンサー機能の比較です。

▼エアコン

エアコンは、室内機についている温度センサーで部屋の空気を測ります。「設定温度26℃」に対して現在が28℃なら、最新機種では赤外線センサーで人の位置や床の温度まで測るハイテクモデルも登場しています。

▼人間

人間は、皮膚にある温度センサーと血液の温度から「暑い/寒い」を察知し、脳の視床下部(ししょうかぶ)という部分で体温調節の指示を出します。

結果:DRAW

これはどちらも優秀なセンサーを搭載しています。ただし、機械が経年劣化するのと同様に、人間のセンサーも歳をとるほど鈍くなる傾向にあります。

ラウンド2:パワー対決

次は、目標温度まで下げる(または上げる)レスポンスとパワーの比較です。

▼エアコン

圧縮機(コンプレッサー)を回して冷媒ガスを循環させ、熱を外に追い出したり外から取り入れたりする仕組みです。パワフルなファンと電気エネルギーを使って、部屋全体の温度を短時間で一気に変えることができます。

▼人間

人間も汗をかくことで体温を下げたり、筋肉を震えさせることで熱を産生する能力がありますが、体温を1℃変化させるのにもじわじわと時間がかかります。また、例えば外気温が体温(約36.5℃)を超えて湿度が上がると、汗が蒸発しにくくなり冷却効率がガクッと落ちるなど、環境に左右されやすいという問題もあります。

結果:エアコンWIN!

「一刻も早く温度を変えたい」という局面では、機械であるエアコンが圧倒的なパワーを見せつけます。

ラウンド3:コスト対決

では、温度を変化させるためのコストではどうでしょうか?

▼エアコン(6畳の部屋を26℃に保つ場合)

エネルギー量(消費電力):外気温や季節(夏冷房・冬暖房)に左右されますが、6畳用エアコンを24時間連続運転した場合、1日の消費電力量は約 4 kWh〜12 kWh(冷房で約4〜6kWh、暖房で約8〜12kWh)程度になります。

 コスト換算(電気代31円/kWhとして計算):

 冷房時(夏): 約130円〜200円

 暖房時(冬): 約250円〜370円

▼人間(体温を36.5°に保つ場合)

 エネルギー量(消費カロリー): こちらも気温や季節に左右されますが、成人が体温を維持するのに必要なカロリーは1日に約 1,500 kcal です。  

 コスト換算:お米やパン、パスタなどの主食を中心に摂った場合、エネルギー1,000 kcalあたりの食費はおおよそ100円〜200円程度です。

1,500 kcal分を消費して体温を保つ場合、約150円〜300円 のコストになります。  

結果:人間WIN!

金額自体は一見すると同等程度に見えますが、温めている対象の「体積」と「必要なエネルギー量」が大きく異なります。

人間はわずか 1.74 kWh(1,500 kcal) 相当の熱量で24時間精密に36.5℃を保ちますが、エアコンは6畳空間(約25立方メートル)全体を温調するために、人間の 約2.3〜7倍以上のエネルギー(4〜12 kWh) を消費します。

 1 kWhあたりのコストで換算しても、電気代(約31円/kWh)よりも、安価な食材から摂るカロリーのほうがエネルギー単価として安く抑えられます。

人間の身体は、周囲の空気を無駄に温めることなく内臓や血液を直接温める「極めて高効率な保温システム」を備えている上に、冷却はさらに少ないカロリーで可能なため、比較すると圧倒的に経済的です。

対決結果:勝者は……

ここまでの対決をまとめると、センサー機能・パワー・コストの観点で、お互い1勝1敗1分けのDRAWということになりました。

人間が人間のために生み出したエアコンは、そもそも対決するべき相手ではなかったということでしょうか。

人間の体温調節機能は非常に優秀ですが、限界を超えた暑さや寒さの中では致命的な症状を引き起こしてしまいます。自分の体温調節機能を過信せず、エアコンという強力な味方を上手に頼ることが、健康に過ごすための1番の秘訣なのかもしれません。

おすすめの「エアコン×人間」共存テクニック

1. 設定温度は「26〜28℃」を目安に(冷やしすぎは自律神経を乱す原因に)

2. 扇風機やサーキュレーターを併用して風を作る(人間の汗の蒸発を助ける)

3. 喉が渇く前に水分補給(人間の冷媒=汗を補給する)

ということで、エアコンのパワーと人間の生体機能を上手にコラボさせて、1年を快適に過ごしましょう!

この記事のライター

physica編集部

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