プールは筋トレになる? - physica
水泳選手ってカッコいい体をしていますよね。
彼らを見てこんな疑問を抱いた人もいるのではないでしょうか。
「泳ぐだけで筋トレになるの?」
「ジムでの筋トレと比べると効果はどうなの?」
結論から言うと、プールで泳ぐだけでも筋力トレーニングにはなります。ただし、筋肉を大きくすることを目的としたウエイトトレーニングとは、負荷のかかり方や得られる効果が異なります。
今回は、水中運動が私たちの体にどのような影響を与えるのか、わかりやすくご紹介します。

水の抵抗は天然のレジスタンストレーニング

水の密度は、空気の約800倍とされています。(これは水と空気の密度を比較した場合の数値で、温度や環境によって多少変化します)この高い密度によって、水中では体を動かす際に大きな抵抗が発生します。
そして、この抵抗には大きな特徴があります。
動くスピードが速いほど抵抗が大きくなるのです。
プールの中で走ろうとしたとき、速く動けば動くほど抵抗が増して前に進みづらくなるアレです。
流体力学では、物体が受ける抵抗は速度の影響を大きく受け、一般的には速度が上がるほど抵抗が増加するとされています。
つまり
・ゆっくり動けば負荷は軽め
・速く動けば負荷は大きくなる
というように、自分の体力や目的に合わせて運動強度を調整できます。
特別な重りを使わなくても、自分の動き方次第で負荷を変えられる。これが水中運動の大きな特徴です。
水中運動は全身の筋肉を使う

水泳はもちろん、水中ウォーキングや水中でのエクササイズでも、脚・お尻・体幹・肩・腕など、さまざまな筋肉を同時に使います。
また、水の中では浮力によって体が少し不安定になります。その状態で姿勢を保とうとするため、自然と体幹の筋肉も使われます。
普段の生活では意識しにくいインナーマッスルにも刺激が入りやすいのが、水中運動ならではの特徴です。
浮力のおかげで関節に優しい

プールでの運動が多くの人におすすめされる理由の一つが、関節への負担の少なさです。
水中では浮力によって体重による負担が軽減されます。
軽減率については水深や姿勢、体格によって変化しますが、一般的な目安として、
・腰まで浸かる:約50%程度軽減
・胸まで浸かる:約70%程度軽減
・首近くまで浸かる:約90%程度軽減
と言われています。
これらの数値は、水中で受ける浮力による荷重変化の目安であり、実際の関節への負担は運動内容や個人差によって異なります。水中療法やリハビリテーション分野でも、水の浮力による荷重軽減効果が活用されています。
そのため、膝や腰に不安がある方や体重による負担を感じている方でも、比較的安心して体を動かすことができます。
リハビリや高齢者の運動にプールが取り入れられているのも、この「体に優しい環境」が理由の一つです。
水中運動で筋肉は大きくなるのか
ここで気になるのが、「プールで筋肉は大きくなるのか」という点です。
筋肉を大きく発達させる(筋肥大)ためには、一般的に高い機械的負荷、つまり筋肉に十分な刺激を与えるトレーニングが重要です。特にウエイトトレーニングでは、重量を利用して大きな負荷をかけることができます。
そのため、通常の水泳や水中ウォーキングだけでは、筋肥大を最大限引き出すほどの負荷にはなりにくい場合があります。

▲筋肥大を狙うなら陸上でのレジスタンストレーニング(ジムで筋トレ)の方が効率が良い
ちなみにトップ水泳選手の筋肉質な体は、毎日数千mのスイムに加えて陸上での筋力トレーニングなどのハードなメニューを数年単位でこなした結果の体です。週に数回のプール通いで作れる体ではありません。
「筋肉を大きくしたいならジムでウエイトトレーニング」「関節への負担を抑えつつカロリーを消費したいならプールで水中運動」というように、目的に合わせて使い分けた方が良いでしょう。
ハイドロトーンなら水中でさらに筋トレ効果を高められる
「とはいえ、プールでもう少し筋肉にしっかり刺激を入れたい」
そんな方におすすめしたい方法の一つが、ハイドロトーンです。

ハイドロトーンとは、水中で使用するダンベル型のトレーニング器具。一般的なダンベルは重量によって負荷をかけますが、ハイドロトーンは水を受ける大きな弁状の機構によって、水の抵抗を利用して筋肉に刺激を与えます。
そのため、押す動きでも引く動きでも抵抗がかかり、動かすスピードによって負荷が変化するというのが大きな特徴です。
このハイドロトーンを使えば、チェストプレスやアームカール、サイドレイズなどといった、陸上で行う筋力トレーニングに近い動きも水中で行えます。
もちろん公共施設の水泳用レーンでは使えませんが、ハイドロトーンのレッスンを行っている施設や使用が許可されている歩行用レーンなどで使うことができます。
水圧によるうれしい効果も

水中運動の魅力は、抵抗だけではありません。
プールに入ると、全身に水圧がかかります。
水圧による効果については、入水深度や個人差によって異なりますが、研究では水圧が循環機能や呼吸に影響を与えることが報告されています。
この水圧には、
・血液循環をサポートする
・むくみの軽減を助ける
・呼吸筋に適度な刺激を与える
といった効果も期待されています。
つまり、水中運動は筋肉だけでなく、心肺機能や体全体のコンディションづくりにも役立つ運動なのです。
まとめ
プールは、単なる有酸素運動の場所ではありません。
水の抵抗や浮力、水圧といった水ならではの特徴を利用することで、全身を効率よく動かすことができます。
特に、
・運動を始めたい方
・関節への負担を減らしたい方
・体力を維持したい方
・健康的な体づくりをしたい方
にとって、プールは非常に優れたトレーニング環境です。
さらに、ハイドロトーンのような専用器具を取り入れることで、水中でもより筋力トレーニングに近い刺激を加えることができます。
「筋トレ=ジムで重いダンベルを持つもの」と考えている方も多いかもしれません。
しかし、水には水にしかないメリットがあります。
自分の目的や体の状態に合わせて、陸上トレーニングと水中運動を上手に組み合わせることで、無理なく効率的な体づくりを目指してみてはいかがでしょうか。
この記事のライター
physica編集部
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