ブタは大食いだがそこまで太ってはいない - physica

太っている人のことを(侮蔑的な意味で)ブタに形容するなど、私たちはブタに対して「太っている」というイメージを抱きがちですが、それは大きな誤解です。

養豚場

ブタはそこまで太っていない

実は、ブタはそこまで太ってはいません。家畜として飼育されているブタの体脂肪率は、およそ13〜18%と言われています。

他の陸棲哺乳類の標準的な体脂肪率と比較すると、こんな感じです。

・ 馬:13〜16%(競走馬:5〜8%)
・ ブタ:13〜18%
・ 犬:15〜24%
・ 猫:15〜24%
・ 牛:25〜30%
• ヒト(成人男性):10〜19%
• ヒト(成人女性):20〜29%

このように、ブタの体脂肪率は標準的な成人男性や犬猫と同等です。このあたりのヒトや動物を見て、直感的に「太っている」とイメージする人はまずいないでしょう。

なぜブタは太っていると思われるのか

なのになぜブタは太っていると思われがちなのか。それにはいくつか理由が考えられます。

1. 骨格と皮膚の構造

ブタ

ブタは内臓を保護するために皮膚が厚く、その下に一定の皮下脂肪を蓄えます。また、首が短くずんぐりとした体型をしているため、外見上は脂肪が多く見えてしまうのです。

2. 中には太っているブタもいる

太ったブタ

平均的な体脂肪率は13%〜18%と言われていますが、中には体脂肪率が30%を超えるような丸々としたブタもいます。そのような個体を見たことのある人は、やはり「ブタは太っている」というイメージを持つでしょう。しかしこれは私たち人間でも同じこと。種全体が太っているわけではありません。

3. 野生のイノシシとの比較

イノシシから品種改良されたブタは、イノシシよりは太っています。

野生のイノシシは、体脂肪率10%を切ることも珍しくなく、見た目もスマートで動きも俊敏です。この動物を「太っている動物」としてイメージする人もあまりいないでしょう。

だからこそ、食用として品種改良され、性格も温厚で与えられた餌を貪るブタの姿に「肥満」「怠惰」というイメージがついてしまったのかもしれません。

4. よく食べるイメージ

ブタ

おそらくこれが最大の理由と思われますが、飼育されているブタはよく食べます。

一般的な養豚場では、主にトウモロコシや大豆などを原料とする配合飼料と呼ばれる餌を与えているのですが、ブタはこれを多い時で1日3kg以上も食べるそうです。

この「大食い」をネガティブに捉えたイメージに関してはかなり古くからあったようで、少なくとも13世紀に書かれた『アンカレスへの指針』(原題:Ancrene Wisse)という修道女向けの教本の中にはそれが確認できます。

この本の中では「七つの大罪」(カトリック教会で人間を罪に導くとされている7つの欲望や感情のこと)にそれぞれを象徴する動物が割り当てられているのですが、その中のひとつ「暴食」を象徴するのがブタなのです。

人間側の問題

肥満

「ブタは太っている」という観念は、人間が効率的な食料生産のためにブタをあえて太らせてきた事実に基づき、食料にアクセスしやすくなった時代に肥満がネガティブな健康問題として浮かび上がってきたことで完成したとも言えます。

ある意味、そこには人間の肥満や不健康に対する本能的な恐れが表れているのかもしれません。

この記事のライター

physica編集部

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