インクラインダンベルプレス:初めてでもわかるエクササイズ解説 - physica

インクラインダンベルプレスは、ベンチに角度をつけた状態でダンベルを押し上げる、胸のトレーニング種目です。

特に大胸筋の上部を狙いやすく、胸板の上側にボリュームをつけたい人におすすめです。また、バーベルを使うベンチプレスと比べて左右の腕をそれぞれ独立して動かせるため、左右差を意識しながらトレーニングできるという特徴もあります。

今回は、インクラインダンベルプレスの基本的なフォームから、鍛えられる筋肉、効果を高めるポイント、よくある間違いまで初心者向けに解説します。

インクラインダンベルプレス

インクラインダンベルプレスで鍛えられる筋肉

大胸筋上部

大胸筋

主に鍛えられるのが大胸筋です。大胸筋は胸の前面に広がる大きな筋肉で、腕を前方や内側に動かす働きを持っています。インクラインダンベルプレスでは、ベンチを水平よりも起こした状態で押すため、通常のダンベルプレスよりも大胸筋の鎖骨部、いわゆる「上部」を狙いやすくなります。ただし、インクラインにすればするほど大胸筋上部だけに効くわけではありません。ベンチの角度が大きくなるにつれて、三角筋前部の関与も増えていきます。

● 三角筋前部

肩の前側にある三角筋前部も、ダンベルを押し上げる動作を補助します。ベンチの角度を高くすると、肩関節の屈曲に近い動作になるため、三角筋前部の関与が大きくなります。

● 上腕三頭筋

上腕の後ろ側にある上腕三頭筋も、肘を伸ばす動作に関わります。ダンベルを胸の横から押し上げる際、肘関節を伸ばすために上腕三頭筋が働きます。

基本フォーム

インクラインダンベルプレス

① セットアップ

・ベンチは水平よりも少し(30度前後)起こします。
ダンベルを太ももの上に置いた状態でベンチに座り、そのまま仰向けになってダンベルを胸の横まで持っていきます。
・無理に腕だけでダンベルを運ぼうとせず、太ももでダンベルを支えながら姿勢を作ると、比較的安全にセットできます。
・胸を軽く張り、肩甲骨を寄せて下げるようにして上半身を安定させます。

② ダンベルを押し上げる

・胸の横あたりから、ダンベルを斜め上方向へ押し上げます。
・完全に真上へ押すというよりも、肩関節や肘関節が自然に動く軌道を意識しましょう。左右のダンベルは、上で軽く近づく程度で構いません。

③ ゆっくり下ろす

・ダンベルをコントロールしながら胸の横へ下ろします。
・自分の肩関節が無理なく動かせる範囲で、胸がしっかり伸びる位置まで下ろしましょう。

効果を高めるためのポイント

肘を完全にロックせずに繰り返す

ダンベルを持ち上げる際、腕を伸ばし切らずにフィニッシュすることで、大胸筋の収縮を維持したまま次のレップに移れます。また、フィニッシュ時のダンベルの位置が顔の真上から外れるので、万が一力尽きた時の安全対策としても有効です。

よくあるNGフォーム

ベンチを起こしすぎる

「上部胸筋を鍛えたいから」とベンチを高くしすぎると、肩の前側への負荷が大きくなります。上部大胸筋を狙う場合でも、必ずしも高い角度にする必要はありません。

腰を反りすぎる

胸を張ることは重要ですが、腰を大きく反らせる必要はありません。むしろ腰を反りすぎると上体の角度がフラットに近くなり、通常のダンベルプレスと変わらなくなってしまいます。背中全体をベンチに安定させ、足で床をしっかり踏ん張りながら上半身を固定しましょう。

肘を開きすぎている

肘を真横に大きく開いた状態で動作すると、肩関節への負担が大きくなることがあります。肘は身体に対して自然な角度を保ち、無理のない軌道でダンベルを動かしましょう。

ダンベル同士を強くぶつける

トップポジションでダンベル同士を強くぶつけると、せっかく収縮した筋肉のテンションが途切れてしまう場合があります。ダンベルを近づけることでバランスを崩すのであれば、肩幅程度の間隔を保ったまま押し切りましょう。

回数・セット数の目安

筋肥大を目的とする場合、まずは8〜12回程度を目安に2〜4セット程度から始めるとよいでしょう。

初心者の場合は、重量や回数を追いかけるよりも、毎回同じようなフォームで動作できることを優先しましょう。


インクラインダンベルプレスは、大胸筋の上部を狙いやすい代表的な胸のトレーニング種目です。「胸の下側は発達してきたけれど、上側が物足りない」という人は、通常のダンベルプレスに加えて取り入れるのもよいでしょう。

また、左右それぞれの腕を独立して動かせるというダンベルならではのメリットもあり、肩周りの左右の筋力バランスを整えるのにも適しています。

この記事のライター

physica編集部

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