ダイエットの化学変化|燃えた脂肪はどこへ行く? - physica

突然ですが問題です。


Q.毎朝のランニングで体脂肪が1kg落ちた。さて、その脂肪はどこへ消えた?

  • 筋肉に変わって体内に存在している
  • 熱に変換されて空気中に放散された
  • 二酸化炭素となって呼吸で排出された

正解!

不正解...

正解は 二酸化炭素となって呼吸で排出されたです。

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今回は、ダイエットの基本である「脂肪が減る仕組み」をわかりやすく解説します。

「脂肪燃焼」のプロセス

体脂肪の多くは、脂肪細胞の中に中性脂肪(トリグリセリド)として蓄えられています。

これが消費される「脂肪燃焼」は、次のようなプロセスで行われます。

1. エネルギー不足の発生
運動や食事制限により、糖質などの体内のエネルギーが不足する。

2. ホルモンの分泌
アドレナリンやリパーゼといった分解酵素が活性化し、体脂肪(中性脂肪)を脂肪酸とグリセリンに分解する。

3. 血中への輸送
分解された脂肪酸が血液に乗って筋肉などの細胞へ運ばれる。

4. ミトコンドリアで燃焼
運ばれた脂肪酸は、ATPという筋肉を動かすエネルギーを生成するため、細胞のミトコンドリア内で酸素を使ってさらに分解される。

脂肪は消滅するわけではない

よくある誤解のひとつが「脂肪が燃焼するとエネルギーや熱に変わって消える」というものです。

たしかに脂肪を分解・酸化すると、体が利用できるエネルギーが取り出されますが、これは脂肪そのものが消滅しているわけではありません。

脂肪を構成していた原子の結び付きが変わって、別の物質へと姿を変えるだけ。

理科で習った「化学変化」です。

脂肪が燃えるとほぼ二酸化炭素になる

2014年にBMJに掲載された研究では、人間の体脂肪を構成する平均的な中性脂肪が完全に酸化された場合、その質量の約84%が二酸化炭素として排出され約16%が水になると計算されています。 

もちろん、実際の減量では筋肉や水分など脂肪以外のものも代謝されるため、純粋に脂肪だけが減るわけではありませんが、それでも「脂肪の行き先」という意味ではほとんどが呼吸で吐き出されていることになります。

では、たくさん呼吸すれば痩せるのでは?

と思えてしまえそうですが、残念ながらそれはあり得ません。

呼気だけを激しくしたところで、上記の「1.エネルギー不足の発生」がなければ、そもそも脂肪燃焼のプロセスが発動しないからです。

体を動かしてミトコンドリアを稼働させて初めて、脂肪は二酸化炭素へと変換されるのです。

科学的に効率の良いダイエット法

さて、これらを踏まえると効率良く脂肪を落とすポイントも見えてきます。

息が上がる程度の有酸素運動を取り入れる

十分な酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するために、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動が効果的です。

筋トレで「脂肪燃焼しやすい環境」を作る

筋肉量を増やすことで、細胞内のミトコンドリアの働きが活発になり、日常の呼吸でも脂肪が燃えやすい体になります。

アンダーカロリー(摂取カロリー < 消費カロリー)を保つ

体内に「脂肪を分解しなければならない状況」を作ることがスタートラインです。

あなたが減らした脂肪、実は「息」になっていた

「燃えた脂肪はどこへ行く?」

答えは「主に二酸化炭素となって、呼吸によって体外へ出ていく」でした。

なんてことはない、フタを開けてみれば脂肪燃焼は本当に「燃焼」。炎こそ上がらないものの、木や紙が燃えて二酸化炭素と水が出るのと一緒です。

あなたが燃やした脂肪の大部分は、最後には「吐く息」になっていたのです。

参考文献

  • Meerman R, Brown AJ. When somebody loses weight, where does the fat go? BMJ. 2014;349:g7257. 
  • NIH / NCBI Bookshelf. Information about Energy Balance. 
  • NCBI Bookshelf. Dietary Treatment of Obesity. 

この記事のライター

physica編集部

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