筋肉はなぜ硬くなる?【カッチカチやぞ!!】 - physica

▲二の腕にグッと力を入れると、上腕二頭筋が硬く盛り上がって力こぶができます。カッチカチです。

▲一方、肩が凝った時も首筋や肩の筋肉が硬くなります。これもカッチカチです。
——しかし「力を入れているときの硬さ」と「コリや疲れで起きる硬さ」は、メカニズムがまったく異なります。
筋肉が硬くなる仕組みと、力を入れたときに体内で何が起きているのかをわかりやすく解説します。
筋肉が縮む基本の仕組み:2つのタンパク質
筋肉(骨格筋)を 細かく見ていくと、その中にはアクチンとミオシンという2種類の極小のタンパク質が規則正しく並んでいます。

力を入れて筋肉を収縮させるとき、この2つが次のように動きます。
- 脳からの指令が神経を通って筋肉に届く
- 筋肉の中にカルシウムイオンが放出される
- カルシウムがスイッチとなり、ミオシンがアクチンを手繰り寄せる
- 2つのタンパク質が重なり合い、筋肉全体がキュッと縮む
すると、以下のような変化が同時に起きて筋肉は硬くなります。
・密度の増加(タンパク質の重なり)
アクチンとミオシンが深く重なり合うことで、筋肉の密度が一気に高まり、外から触ったときに硬く感じます。
・内圧の上昇(筋肉の膨らみ)
筋肉は「筋膜」という膜に包まれています。太く縮もうとする筋肉が筋膜を内側から押し広げるため、内部の圧力(内圧)が高まり、パンパンに張った状態になります。
・血流の一時的なストップ
筋肉が強く収縮すると、中を通る血管が圧迫されて血流が一時的に低下します。これも硬さを増す要因の一つです。
力が入って硬くなるのは、目的の動作を行うために筋肉が正常に機能している証拠です。
なぜ「力を入れていないのに硬い(コリ)」が起きるのか?

力を抜いているはずなのに肩や首が硬い状態、いわゆる「コリ」は、筋肉の緩むシステムが働かなくなっていることが原因です。
筋肉を緩める(元に戻す)には、出たカルシウムイオンを回収する必要があります。しかし、この回収にはエネルギー(ATP)と十分な血流が必要です。
例)同じ姿勢を取り続けた場合(デスクワークなど)
弱い力が入り続けると血管が圧迫され、血流が滞る
↓
血流が悪くなると酸素や栄養が届かず、カルシウムイオンを回収するエネルギーが不足する
↓
カルシウムが残ったままになると、脳が「力を抜け」と思っていても、分子レベルでは筋肉が縮んだまま固定されてしまう
これが、日常的に感じる「筋肉の張り・コリ」の正体です。
硬くなった筋肉をほぐすには?

悪循環を断ち切るには、血流を再開させてカルシウムの回収を促すことが不可欠です。
軽い動的ストレッチ:筋肉を伸縮させてポンピング作用を起こし、血流を促す
温める:お風呂や温熱シートで血管を広げる
こまめな姿勢変更:1時間に1回は体を動かし、持続的な緊張を解く
筋肉が硬くなる理由を知ると、日々のセルフケアやトレーニングの意識も変わってきます。力を入れる仕組みを理解し、上手に収縮させ、上手に緩める習慣をつけていきましょう。