鳥肌はなぜ立つのか? - physica
寒いときや怖い映画を見たとき、あるいは好きな音楽を聴いてゾワッとしたとき。
腕や首筋にプツプツと現れる「鳥肌」。
普段は何気なく起きているこの現象ですが、実は人類の進化の歴史が関係しています。
今回は「鳥肌はなぜ立つのか?」を、体の仕組みと進化の視点から解説します。
鳥肌の正体
鳥肌は、皮膚の毛穴周辺にある「立毛筋(りつもうきん)」という小さな筋肉が収縮することで起こります。

立毛筋が縮むと毛が立ち上がり、その周囲の皮膚も引っ張られるため、表面がポツポツした状態になります。
これが鶏の羽をむしった皮膚に似ていることから、日本では「鳥肌」と呼ばれています。

もともとは“毛を立てる機能”だった
では、なぜそんな機能があるのでしょうか?
これは人類の祖先が毛深かった時代の名残だと考えられています。

寒いときに毛を立てると、毛と皮膚の間に空気の層ができます。
この空気の層が断熱材のような役割を果たし、熱を逃がしにくくしていたのです。
しかし人間は進化の過程で体毛が少なくなりました。
そのため、鳥肌は残っていても保温効果はかなり小さくなっています。
つまり鳥肌は、“昔は役に立っていた機能の名残”なのです。
怖いときにも鳥肌が立つのはなぜ?

鳥肌は寒さだけでなく、恐怖や緊張でも起こります。
これは「交感神経」が関係しています。
危険を感じると交感神経が活性化し、体は“戦うか逃げるか”の臨戦態勢になります。
その反応の一部として立毛筋も刺激され、鳥肌が立つのです。
動物では毛を逆立てることで体を大きく見せ、敵を威嚇する効果があります。

▲猫が「シャーッ!」とやるときのアレです。
人間でもその反応だけが残っていると考えられています。
つまりホラー映画や怖い話で鳥肌が立つのは、体が「ヤバいかもしれない」と本能的に反応している状態なのです。
感動で鳥肌が立つこともある

感動する音楽や映画で鳥肌が立った経験はありませんか?
これに関してはまだ明確な理由が明らかにはなっていないものの、2011年の研究(※1)では、脳内で分泌されるドーパミンとの関連が示唆されています。
人間は強い感動を受けると、脳内でドーパミンなどの神経伝達物質が放出され、自律神経が刺激されます。
その結果、急に寒い場所に出たときと同じように鳥肌が立つというものです。
つまり鳥肌は、“感情が体にまであふれ出たサイン”とも言えそうです。
※1. Anatomically distinct dopamine release during anticipation and experience of peak emotion to music:Valorie N Salimpoor et al. (Nature Neuroscience 2011)
鳥肌は体の“原始的な反応”
現代の人間にとって、鳥肌自体の実用性はそれほど高くありません。
しかし
- 寒さへの反応
- 恐怖への反応
- 感動への反応
など、さまざまな刺激に対して今でも働いています。
鳥肌は、人間の体が今もなお「動物としての本能」を残している証拠なのかもしれません。
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