単関節筋と多関節筋|トレーニング効果を高める基礎知識 - physica
トレーニングやリハビリ、あるいは効率的な体の動かし方を理解する上で「単関節筋(たんかんせつきん)」と「多関節筋(たかんせつきん)」の違いを知ることは非常に重要です。
一見難しそうな言葉ですが、仕組みはとてもシンプル。今回は、それぞれの特徴とメリット、そして筋トレに活かすコツを分かりやすく解説します。

単関節筋とは?(1つの関節だけを動かす)
単関節筋とは、その名の通り「1つの関節だけをまたいで付いている筋肉」のことです。その筋肉が縮むと、1つの関節だけが動きます。
主な筋肉の例:
- 上腕二頭筋短頭/上腕筋(肘関節)
- 大臀筋/中臀筋(股関節)
- 外側広筋/内側広筋/中間広筋(膝関節)
- ヒラメ筋(足関節)

特徴:
• 対応する関節のみを動かす。
• 主に関節の安定性を担う。
多関節筋とは?(2つ以上の関節をまたぐ)
多関節筋は、「2つ以上の関節をまたいで付いている筋肉」のことです。その筋肉が収縮することで、複数の関節に影響を与えます。
主な筋肉の例:
- 上腕二頭筋長頭(肘関節+肩関節)
- 大腿二頭筋長頭(股関節+膝関節)
- 大腿直筋(股関節+膝関節)
- 腓腹筋(足関節+膝関節)

特徴:
• 複雑な動き(走る、投げるなど)をスムーズに行うための関節同士の協調性を担う。
• 一方の関節を動かすと、もう一方の関節での筋力が変化するという性質がある。
知っておきたい「多関節筋」の弱点
特に多関節筋には、トレーニング効率に関わる2つの特徴があります。
① 活動的不全(縮みすぎて力が出ない)
筋肉が両方の関節で同時に思い切り縮まると、それ以上縮むことができず、力が発揮しにくくなる現象です。
例: 膝を深く曲げた状態で、つま先立ち(腓腹筋の収縮)をしようとしても、力が入らない。
② 受動的不全(伸びすぎて動かせない)
筋肉が両方の関節で同時に引き伸ばされると、限界まで突っ張ってしまい、関節の可動域が制限される現象です。
例: 膝をピンと伸ばしたままだと、大腿二頭筋長頭が引っ張られすぎて股関節を深く曲げる(前屈)のがキツイ。
筋トレやストレッチへの活かし方
特定の筋肉を太くしたい
太くしたい筋肉のみを使う「単関節種目(アイソレーション種目)」を取り入れる。他の筋肉の関与を減らせるため、狙った部位に効かせやすい。
例:コンセントレーションカール(上腕二頭筋短頭)、ダンベルサイドレイズ(三角筋)など
スポーツのパフォーマンス向上に繋げたい
複数の多関節筋を連動させる「多関節種目(コンパウンド種目)」を重視し、全身の連動性を高める。
例:スクワット、ハイクリーンなど
効果的にストレッチしたい
多関節筋を伸ばしたいときは、両方の関節を意識して反対方向に引き伸ばす。
例:ハムなら膝を伸ばしつつ骨盤を前傾させる、など
特定の症状に対するリハビリ
鍛えたい筋肉が「どこをまたいでいるか」意識しよう

自分の鍛えている筋肉が、関節を1つまたいでいるのか、2つまたいでいるのか。それを意識するだけで、フォームの正確性は格段に上がります。
トレーニングしても筋肉への効きがイマイチだなと感じたら、その種目が「どの関節が動いているか」「それはどの筋肉が動かしているか」を再確認してフォームの見直しをしてみると良いかもしれませんよ。
この記事のライター
physica編集部
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