カーフレイズ:初めてでもわかるエクササイズ解説 - physica
カーフレイズは、ふくらはぎ(下腿三頭筋)を効果的に鍛える基本種目です。自体重でも十分な負荷を得られるうえ、場所を選ばず実施できるため、初心者から上級者まで幅広く活用されています。ふくらはぎは歩行・走行・ジャンプ動作を支える重要な筋群で、筋力アップはパフォーマンス向上だけでなく、足首の安定性や疲れにくさにも直結します。本記事では、カーフレイズのフォーム、バリエーション、注意点まで網羅的に解説します。

カーフレイズで鍛えられる主な筋肉
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● 腓腹筋(ひふくきん)
ふくらはぎの“盛り上がり”を作る筋肉で、膝を伸ばした状態での底屈(つま先立ち)で強く働きます。
● ヒラメ筋
腓腹筋の下にある深層の筋肉。膝が曲がった状態でのカーフレイズで特に強く働き、持久力に関わります。
● 後脛骨筋・長趾屈筋など
足首の安定性に関わる補助筋も同時に鍛えられます。
カーフレイズの基本フォーム(スタンディング)

① セットアップ
- 足を腰幅にセット
- つま先は真っ直ぐ、またはわずかに外向き
- 背筋を伸ばし、体幹を安定させる
- バランスが不安定な場合は壁や支柱などに触れてOK
② つま先立ちになる(ポジティブ動作)
- かかとを垂直に真上へ引き上げる
- 膝を軽く伸ばし、ふくらはぎを収縮させる
- 足首だけを動かし、身体をぶらさない
③ ゆっくり下ろす(ネガティブ動作)
- かかとをゆっくり下げ、地面につくギリギリまでコントロールする
- ふくらはぎのストレッチをしっかり感じる
- 反動を使わない
効果を高めるポイント
● “可動域”を最大限使う
カーフレイズは可動域の広さが刺激の質を左右します。特に段差(ステップ)を使い、足の裏の前半分だけを乗せるなどすると、かかとが深く下がるため刺激が増えます。
●体を揺らさない
腰を反らせたり、膝の曲げ伸ばしをすると負荷が逃げます。「足首だけを使って押し上げる」意識が重要です。
● テンポをコントロールする
・上げる:1秒
・下ろす:2〜3秒
ゆっくり確実に下ろすことでヒラメ筋にも効きやすくなります。
● つま先の向きで刺激を分ける(上級者向け)
・つま先を外向き:内側の腓腹筋が使われやすい
・つま先を内向き:外側の腓腹筋に刺激が入りやすい
よくあるNGフォーム
❌ 反動をつけて上下する
筋肉への負荷が減り、アキレス腱にも不要なストレスが多くなります。
❌ かかとが外・内に流れる
足首の軌道が崩れ、ふくらはぎへの負荷が分散。足の裏全体で安定させることが大事。
❌ 上半身を前後に揺らす
動作がブレる原因になり、狙った筋肉に効きにくくなります。
❌ 途中で可動域を狭める
疲れたときこそ負荷が逃げやすい部分。一定のリズムを保つのが効果的です。
バリエーション
● つま先の向きを変える
つま先を45°内向きにすることで腓腹筋の外側頭が、45°外向きにすることで腓腹筋の内側頭が優位に鍛えられます。
● ステップ(段差)カーフレイズ
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可動域が広がり、筋肥大効果が高くなります。バランスが難しい人は、イスや壁などに手を置きながら行いましょう。
● 片脚カーフレイズ
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強度が倍増し、左右差の改善にも役立ちます。
● スミスマシン・カーフレイズ
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ジムで行うならスミスマシンがおすすめ。重量を扱いやすく、中級者〜上級者に向いています。
回数・セット数の目安
● 初心者
・15〜20回 × 2〜3セット
・まずはスタンディングで動作習得を優先
● 中級者
・12〜15回 × 3〜4セット
・ステップを使った可動域拡大を取り入れる
● 上級者
・10〜12回 × 4〜5セット
・片脚、マシン、テンポコントロールなどで強度を調整
・ふくらはぎは回復が早いため週2〜3回の頻度も可能
カーフレイズは、ふくらはぎを強化するうえで最も基本的かつ効果的なトレーニングです。動作はシンプルですが、可動域の大きさ、テンポ、上体の安定性などのポイントを守ることで刺激が大きく変わります。自体重トレーニングの中でも取り入れやすく、継続することで足首の安定性、ジャンプ力、歩行の安定度向上にもつながります。
この記事のライター
physica編集部
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