レッグプレス:初めてでもわかるエクササイズ解説 - physica

レッグプレスは、脚部全体を効率的に鍛えられる代表的なマシン種目の一つです。特に初心者でも扱いやすく、スクワットの代替としても活用できるため、多くのトレーニーが導入しています。本記事では、レッグプレスで鍛えられる筋肉、基本的な動作方法、負荷を高めるためのポイント、よくあるエラーなどを整理して解説します。

レッグプレスをする女性

レッグプレスで鍛えられる主な筋肉

太ももの筋肉
お尻の筋肉

● 大腿四頭筋

太ももの前側に位置する筋肉群(大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋)。レッグプレスでは最も強く使われる主動筋で、膝関節の伸展(膝を伸ばす動き)に関わります。

● ハムストリングス

太ももの裏側の筋肉群(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)。特に股関節伸展の動きが強調されるセットアップにすると関与が高まります。

● 内転筋群

足幅を広めに設定した場合、内ももの筋群(恥骨筋・短内転筋・長内転筋・大内転筋・小内転筋・薄筋)にも刺激が入ります。

● 大殿筋

お尻の中心となる筋肉で、股関節の伸展を担います。足幅やフットプレートの位置によって使用感が変化します。

基本フォーム

レッグプレス

① セットアップ

  • シートや足の位置を調整し、膝が深く曲がりすぎないようにする(目安は、スタート姿勢で膝の角度が約90度前後)
  • 骨盤を立て、背中と腰をシートにしっかり密着させる
  • 足は肩幅程度、つま先は自然に外に向ける

② プレス動作

  • 足の裏全体でプレートを押すように意識しながら膝を伸ばす
  • 膝を完全にロック(伸ばし切る)しない
  • 上半身は動かさず、腰が浮かないよう注意する

③ コントロールして戻す

  • 膝が内側に入らないように注意
  • 股関節と膝関節を同時に曲げながらゆっくり戻す
  • プレートが胸部に近づく局面では、腰が丸まらない姿勢を維持する

効果を高めるポイント

● 足を置く位置で効く部位が変わる

  • プレートの上側に足を置く:大殿筋・ハムストリングスへの刺激増
  • プレートの下側に足を置く:大腿四頭筋の関与が増加
  • 足幅を広めにする:内転筋群にも刺激が入る

● 可動域を安全に広く使う

無理なく深く膝を曲げることで筋肉がより伸張され、刺激が高まります。ただし、腰が丸まるほど深く曲げるのは避けましょう。

● ブレスワーク

フットプレートを戻すときに息を吸い、しゃがみきったら一瞬だけ息を止めてフットプレートを押し返し、そのまま息を抜くように吐きながら押し出します。この切り返しの瞬間(スティッキングポイント)以外で呼吸を止めると腹圧が乱れ、腰への負担が増える可能性があります。まずは軽い重さで練習しましょう。

よくあるNGフォーム

❌ 腰がシートから浮く

腰椎に負担がかかり、怪我のリスクが高まります。可動域を狭めても姿勢を優先しましょう。

❌ 膝をロックする

伸ばし切ると関節に負荷が集中し、怪我の原因になります。

❌ 膝が内側に入る(ニーイン)

四頭筋の刺激が逃げ、膝関節への負担が増大。つま先と膝の向きは同じ方向に。

❌ 重量に頼って反動を使う

筋肉ではなく慣性で上げてしまい、狙った部分を鍛えられなくなります。

バリエーション

● ワイドスタンス・レッグプレス

足の位置を肩幅より広く取って行うレッグプレスです。内転筋や大殿筋により強く刺激が入ります。

● ナロースタンス・レッグプレス

足の位置を肩幅より狭く取って行うレッグプレスです。大腿四頭筋の外側広筋を中心に負荷がかかりやすいバリエーションです。

● 片脚レッグプレス

片脚レッグプレス

左右差の修正に有効。また、押している脚の方向(左脚で押しているなら左側に)に顔を向けるようにして少しだけ上体を捻ることで、お尻に強烈な刺激が入ります。片脚での安定性が必要になるため、無理のない重量で行いましょう。

回数・セット数の目安

● 初心者

・12〜15回 × 2〜3セット

正しい姿勢と可動域の習得を優先する。

● 中級者以上

・10〜12回 × 3〜4セット

狙いたい部位に合わせて足の位置を調整。スクワットやレッグエクステンションと組み合わせるとさらに効果的。


レッグプレスは、脚全体を安全かつ効率的に鍛えられる万能マシントレーニングです。基本的なフォームを守り、適切な可動域と足の位置調整を行うことで、狙った筋肉にしっかり刺激を与えられます。特に初心者にとっては、下半身トレーニングの基礎を身につけるのに適した種目です。

この記事のライター

physica編集部

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