天候と健康|気圧・気温・湿度・日照時間でカラダはどう変わる? - physica
雨の日は頭痛が起きる・腰が痛む・膝が痛むなど、悪天候による体調不良を経験したことのある人も多いのではないでしょうか?
気圧・気温・湿度・日照時間など、環境の微妙な変化が私たちの自律神経、筋肉、関節、睡眠、メンタルにまで影響を与えています。
今回は、フィットネスの視点から天候と健康の関係と天候に負けない体づくりのヒントを紹介します。

「気圧」が変わると起こる痛み
雨の日に頭痛や関節痛が出る人は少なくありません。
その主な原因は 気圧の低下 → 内耳が前庭神経を刺激 → 自律神経の乱れ → 血管が拡張 という流れ。
頭痛:拡張した血管が神経を刺激
関節痛:痛みの受容体(ノシセプター)が敏感に
だるさ:交感神経が優位になりにくい
また、低気圧では酸素分圧もわずかに低下し、疲労感が出やすくなります。登山中に息が上がるのと同じ理屈で、軽い酸欠状態に近づくためです。
「気温」の変化は免疫力の変化
急な寒暖差は “寒暖差疲労” と呼ばれ、自律神経に大きな負担をかけます。
気温が低いと…
- 体温維持のため交感神経が働き続ける
- 免疫細胞の活動が低下し、風邪をひきやすい
- 筋肉が冷え固まり、ケガのリスク上昇
気温が高いと…
- 体温調節のために水分・ミネラルが大量に消耗
- 脱水 → パフォーマンス低下
- 熱中症のリスク
特に冬の朝や季節の変わり目は、気温差が10℃前後になることもあり、体へのストレスは大きくなります。
「湿度」は呼吸と筋肉に影響する
湿度は「快適さ」に直結するだけでなく、 呼吸・筋肉の動き にも影響します。
湿度が高いと…
- 体温が逃げにくく、疲労感が増す
- 汗が乾かず、体の熱がこもる
- 関節が重だるく感じる人もいる
湿度が低いと…
- 喉・鼻が乾き、風邪や咳の原因に
- 皮膚の乾燥 → コンディション低下
- 空気中のウイルスが活発になる
湿度は 40〜60% が体にとって最適と言われています。
「日照時間」がメンタルに与える影響
日照時間が短いと、「幸福ホルモン」と呼ばれる セロトニン の分泌が減ります。
これは、特に冬に気分が沈みやすい要因の1つと考えられています。
- 日照時間減少 → セロトニン分泌低下 → やる気・集中力が低下
- 自律神経の乱れも増える
- 冬季うつ(SAD)の原因にも
冬のトレーニング中に「今日は気分が乗らない」という日が続くなら、これが原因になっているかもしれません。
天候に左右されない体をつくろう
天気は変えられませんが、天気による体への影響は対策すればコントロールできます。日々の運動や生活習慣を調整して、天気に振り回されない強い体をつくりましょう。

① 朝の光を浴びる(曇りの日は特に)
曇りでも日光の照度は室内照明の10倍以上。セロトニンが活性化し、自律神経が整います。朝起きたらまずはカーテンを開けて陽の光を目に入れましょう。
② 軽い運動で“循環”を作る
気圧や気温に左右されにくい人ほど、血流が安定しています。
ウォーキングやスクワットなどの脚の筋肉を動かす運動やストレッチで、全身の血行を促進しましょう。短時間の運動でも十分効果があります。
③ 水分とミネラルをこまめに補給
天候ストレスは体内の水分を奪います。特に冬は喉が渇きにくいため、意識的に水分を補給することが大切。
④ 寒暖差対策
体温管理も大切です。特に体が冷えやすい人やエアコンが苦手な人は、薄手のアウターやネックウォーマーなど、臨機応変に体温調整できるアイテムを常備しましょう。これだけでも自律神経の負担が大きく軽減します。
⑤ 睡眠ルーティンを崩さない
天候による体調不良も、睡眠が整っていれば回復しやすくなります。
睡眠時間の確保も大切ですが、優先すべきは体内のリズムです。休みの日に寝溜めするなど寝起きのタイミングがずれる生活も自律神経を乱す原因になるので注意しましょう。
この記事のライター
physica編集部
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