「1日1万歩」はダイエットに有効か? - physica
日本人の1日の平均歩数は、成人男性で約6500歩、成人女性で約5500歩(※1)といわれています。
大雑把ではありますが、ほとんどの日本人があと4000歩ほど歩くと1日1万歩を達成する計算です。
今回は、そんな私たちが実際に1日1万歩を歩くとダイエットにはどのくらい効果的なのか、具体的な数字を交えながら解説したいと思います。
※1. 厚生労働省「国民健康・栄養調査」(令和5年)より

1万歩を目指すと
まず、差分の4000歩で消費できるカロリーについて考えてみます。
これは、体重・速度・歩幅で大幅に変わってしまうので、今回は体重60kgの人が普通の速さ(時速5k)mで歩いたと仮定します。
このとき消費されるカロリーは、およそ140kcalです。
脂肪に換算すると、11〜17g分の消費に相当します。(※2)
※2. 脂肪1gを消費するカロリーは約7.2kcalだが、実際に歩くためには脂肪だけでなく糖質もエネルギーとして使われているため。
これを1ヶ月続けると
1日+4000歩を1ヶ月間続けると
- 消費カロリー + 約4200kcal
- 体脂肪 - 約350〜500g
つまり、現状ほとんどの日本人は1日1万歩を歩くようにすると、1ヶ月で体脂肪が350〜500g落ちることになります。
ちなみに「1ヶ月かけて体脂肪350〜500g」と聞くとすごく少ない気がしてしまいますが、実際はリバウンドのリスクが最小限に抑えられるという、長期的に見ると特大のメリットがあります。
1日1万歩でダイエットを成功させるために

1日1万歩は、多くの人にとって有効かつ安全なダイエット手段となります。
ただし、いくつか補足もあります。
① 摂取カロリーが変わらないこと
全ては摂取カロリーを変えずに“消費カロリーだけ増やす”場合の話です。「歩いた分、お腹が空いて食べてしまった」となると本末転倒です。
② 歩き慣れると身体が省エネになる
同じ1万歩でも、続けるうちに消費カロリーがわずかに減ります。その場合、歩くペースを少しだけ上げる、坂道や階段を取り入れる、といった消費カロリーを増やすための調整が必要です。
③ 歩くだけでは筋肉量は増えず、代謝アップにつながりにくい
ダイエットには筋肉の維持・向上が重要です。歩くだけであってもタンパク質はしっかり摂取しましょう。さらにスクワットなど週2回のかんたんな筋トレも並行して行えると、ダイエット効率は一気に上がります。
④ 毎日ではなく「週の合計歩数」でもOK
疲れた日は休んでOK。トータルで「週7万歩」をクリアすれば十分です。
「歩く」を生活に取り入れる

歩くことがダイエットに向いている理由のひとつに「生活の中に取り入れやすいこと」があります。
歩くだけなら、特別な器具もウェアも必要なく、何より移動手段を兼ねています。
先ほどの体重60kgの人を例にすれば、時速5kgで4000歩というのは、距離にして約3km、時間にして約40分。会社勤めの人なら、行きと帰りにそれぞれ(路線によりますが)1〜3駅分歩くとクリアできる歩数です。
ダイエットをしたい人にとって、これはかなり現実的な目安になるのではないでしょうか。1日の歩数が少ない人は、ぜひ「1日1万歩」を目安にしてみてください。
この記事のライター
physica編集部
楽しくて役に立つフィットネス情報をお届けしています。