映画で観たトレーニング考察!アレどんな効果?#7『ブラッド・スローン』編 - physica
汗、筋肉、孤独、ーそして覚悟。
今回は、2017年公開のクライムスリラー映画『ブラッド・スローン(英題:Shot Caller)』から、主人公のジェイコブ(演:ニコライ・コスター=ワルドー)が、刑務所の中で生き抜くために己の体を鍛え上げていくトレーニングシーンを取り上げます。
映画の中で印象的だった“あのトレーニング”を、フィットネス目線で考察してみましょう!
『ブラッド・スローン』のトレーニング
トレーニング① バーピージャンプ

映画の描写:
劇中で何度か出てくるバーピージャンプ。
現実的な効果:
“うつ伏せから立ち上がってジャンプ”という動作を繰り返すバーピージャンプは、強度の高い全身運動。
短時間で一気に心拍数の上がる無酸素運動なので、HIIT(高強度インターバルトレーニング)の種目としてもよく取り入れられています。
フィジカルで他の囚人に劣るジェイコブが手っ取り早く基礎体力をつけるには、この上ないほど適したトレーニングと言えるでしょう。
さらに劇中では、うつ伏せの時に「スパイダープッシュアップ」を挟むバリエーションも行われています。

スパイダープッシュアップは、通常のプッシュアップ(腕立て伏せ)で鍛えられる大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋などに加えて、腹斜筋・広背筋・大腿四頭筋・中臀筋などの広範囲の筋肉にまで負荷が及ぶエクササイズです。

こういうマシンに近い負荷が体幹に働く。
ただでさえキツいバーピージャンプにこれを組み合わせて行うことで、より全身の持久力強化につながります。
トレーニング② 肩車スクワット

映画の描写:
囚人仲間を肩車した状態でスクワットをするジェイコブ。上もマッチョなのでかなり重そう。
現実的な効果:
例えば80kgのバーベルを担いだ時と体重80kgの人間を担いだ時では、スクワットの負荷は変わります。
重さが同じだった場合、バーベルのように“横に長い物体”よりも人間のように“縦に長い物体”の方が体幹にかかる負荷が増えるのです。
このシーンでのジェイコブは、そこまで深くしゃがんではいませんが、それでも体幹は相当鍛えられます。
トレーニングの本質
ジェイコブが収容された刑務所には、基本的にイカついマッチョの悪(ワル)しかいません。そんな中で暴力とは無縁のエリートサラリーマンだったジェイコブは、自分の身を守るため、生き残るために体を鍛えます。
目的はどうであれ、そこには「環境に適応させる」というトレーニングの本質そのものが垣間見える気がします。
とは言え、適応しすぎたあまり、ジェイコブは荊(いばら)の道にまで足を踏み入れてしまうのですが。

これはもうエリートサラリーマンには戻れない。
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この記事のライター
physica編集部
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