進化するトレッドミル|映画『レディ・プレイヤー1』の世界も目の前に! - physica
かつてトレッドミル(ランニングマシン)は、単調な室内トレーニング機器の代表でした。
一定のスピードと傾斜を設定し、ベルトの上を淡々と走る――そんな風景を思い浮かべる人も多いでしょう。

しかし、2020年代後半に入り、その常識は劇的に変わりつつあります。
AI・センサー技術・VR(仮想現実)・IoTの融合によって、トレッドミルは“走るための機械”から“体験を生み出す装置”へと進化。まるで映画のような仮想世界での運動体験が、すぐそこまで来ているのです。
トレッドミルはどこまで進化した?

一昔前のトレッドミルといえば、「スピード」「傾斜」を設定して黙々と走るだけ。
ところが今では、以下のような機能を備えた“スマートトレッドミル”が続々と登場しています。
- リアルな映像と連動:世界各地の風景を見ながら走れる
- AIによる自動ペース調整:心拍数や走行データをもとに、最適な速度や傾斜をAIがコントロール
- ランニングフォーム解析:足の接地や姿勢をセンサーで検出し、フォーム改善をアドバイス
- VR(仮想現実)連動型モデル:ヘッドセットを装着し、仮想空間の中を本当に走る感覚を再現
このVR連動型モデルは、まさに『レディ・プレイヤー1』の世界そのもの。
目の前の映像が動き、風の音が聞こえ、走る感覚までリアルに再現される――。
もはや“運動”というより“冒険”に近い体験が可能になっています。
『レディ・プレイヤー1』のような没入感が現実に?

映画『レディ・プレイヤー1』(スティーブン・スピルバーグ監督)は、人々が「オアシス」という仮想空間で生活し、冒険やゲームを楽しむ未来を描いています。
劇中の登場人物たちは、VRヘッドセットを装着し、トレッドミルのような360度自由に動ける“オムニ・トレッドミル”を使って仮想世界を歩き回ります。
実はこの“オムニ・トレッドミル”、すでに現実世界でも試作・販売されています。
たとえば米国Virtuix社の「Omni One」は、実際に足を動かしながらVR空間内を自由に移動できる装置。
VRゲームやフィットネス用のプラットフォームとして注目を集めています。
つまり、映画で描かれたような「仮想空間で体を動かす未来」は、もう夢物語ではありません。
“飽きない運動”を生み出す仕掛け

運動の最大の敵は「飽き」。
同じ景色、同じ動き、同じ音楽では、モチベーションを維持するのが難しくなります。
しかし、VRやAIが融合した最新トレッドミルは
- 世界中を旅するように走る
- 仲間と仮想空間でレースをする
- ゲーム感覚でミッションをクリアする
といった“体験型ランニング”を実現し、運動=エンタメ化の流れを加速させています。
こうした仕組みが広まれば、運動嫌いの人でも自然と身体を動かしたくなるかもしれません。
トレッドミルの進化が描く“もう一つの現実”

トレッドミルは今、運動×テクノロジー×エンタメという3つの要素が融合した次世代フィットネスマシンへと進化しています。
AIによる最適化、VRによる没入体験、そして物語性によるモチベーション維持。
これらが組み合わさることで、運動も「つらい」から「楽しい」へ、そして「生活の一部」へと変わっていくでしょう。
もしかしたら10年後、ジムでトレッドミルに乗るあなたが出会うのは、ジム仲間ではなくメタバース仲間かもしれませんね。
この記事のライター
physica編集部
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