筋トレしても伸びない人へ|効率的な筋肥大は「腸内環境」から - physica
筋トレと腸内環境。
一見、関係がなさそうな2つですが、実は深くつながっています。
近年の研究では、腸内環境の状態が筋肉の成長スピードやメンタルの安定性にまで影響していることが明らかになってきました。
今回は、トレーニーをより効率的な筋肥大へと導く「菌トレ」の重要性について解説します。
腸内環境と筋トレとの関係
私たちの腸内には、数百兆個の細菌(腸内フローラ)が住んでいます。
これらの菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」に分かれ、バランスが崩れると免疫力や栄養吸収に悪影響が出ます。
ここで注目なのが、タンパク質の吸収効率や炎症反応の抑制。
これらは筋トレの成果に直結します。

腸内環境が筋肥大に与える3つの影響
① たんぱく質の吸収効率を高める

腸内環境が整っていると、食べたたんぱく質を効率よくアミノ酸へ分解・吸収できます。
特に筋肉合成に重要なロイシンやバリンなどの必須アミノ酸がスムーズに取り込まれ、筋肥大のスピードが上がるのです。
例えば、同じ量のプロテインを飲んでも、腸が整っている人のほうが吸収率が高く、筋肉の材料としてより活用されやすくなったりします。
② 炎症を抑え、回復を早める

腸内の悪玉菌が増えると、全身に「慢性炎症」が起こりやすくなります。
これが筋肉の回復を妨げ、トレーニング頻度やトレーニング効果を下げる原因に。
一方で、善玉菌が優勢だと短鎖脂肪酸(SCFA)という抗炎症物質が作られ、筋肉の修復や免疫機能を助けます。
つまり、腸内環境は筋肉の回復の速さにも影響しているのです。
③ テストステロンの分泌にも関係

腸内細菌はホルモンバランスにも関わっており、男性ホルモン(テストステロン)をサポートする働きがあります。
研究によると、腸内環境が悪化したマウスではテストステロン濃度が低下する傾向が見られています。
筋肥大のためのホルモンの土台を作る意味でも、腸の健康は無視できません。
メンタルにも影響する

脳と腸は、自律神経、ホルモン、神経伝達物質などを介して双方向で影響し合う関係にあり、これを「脳腸相関」と呼びます。
例えば、腸内環境が乱れると、ストレスホルモンが増えたり、幸せホルモン「セロトニン」の生成が減ったりします。(セロトニンの約90%は腸内で作られています)
そのため、モチベーションが上がらない、トレーニングを継続できない、ストレスで暴食してしまう、といった状態も、腸の乱れが一因になっている可能性があります。
今日からできる!腸を整える3つの習慣
① 発酵食品を毎日取り入れる

納豆・ヨーグルト・キムチ・味噌などの発酵食品を摂りましょう。
これらは善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)を増やすのに効果的です。
【おすすめの組み合わせ】
・朝食にヨーグルト+オートミール+バナナ
・トレ後の味噌汁+野菜+ごはん
② 食物繊維を意識的に摂る

腸内の善玉菌は食物繊維をエサにして短鎖脂肪酸を作ります。
野菜・海藻・きのこ・オートミールなど食物繊維を意識的にプラスしましょう。
目安は1日20g以上。コンビニサラダ+オートミールでクリア可能です。
③ 睡眠・ストレス管理も忘れずに

腸内環境は睡眠やストレスとも直結。
寝不足や過度なストレスは腸内細菌の多様性を減らします。
リラックスできる時間(入浴・散歩・深呼吸)を作るのも、立派な“腸活”です。
腸を整えることは、筋肥大の環境を整えること
筋トレもプロテイン大事。でも腸が元気じゃないと、筋肉はそれらの恩恵を最大限に受けられません。
筋トレしてもなかなか筋肉がつかなくてお悩みの方は、ぜひ自身の腸内環境にも目を向けてみてください。「筋トレ」と「菌トレ」を両立させて、理想の身体を目指しましょう!
この記事のライター
physica編集部
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