【雑学】散歩の語源 - physica
晴れた日の散歩って気持ちいいですよね。
ところで、散歩はなぜ「散(る)」に「歩(く)」と書くのでしょうか?
今回は、ちょっと気になる散歩の語源を探ってみたいと思います。
「散歩」の語源は中国語?

一説によると、「散歩」の語源は古代中国で流行した「五石散」という薬に由来するとされています。
五石散は、中国の三国時代に存在した向精神薬で、単砂(水銀)・雄黄(ヒ素)・白凡(ミョウバン)・曽青(銅)・慈石(鉄鉱石)という5種類の鉱物をすり潰して作られたものです。
この時点で危険な香りしかしませんが、当時は不老不死や滋養強壮の効果があると信じられ、中国で広く流通していたそうです。

五石散は摂取して全身に行き渡ると、皮膚が敏感になり体が温まる「散発」が起きるらしく、これが起こらないと命に関わる中毒症状に陥る危険があるとされていました。(実際は散発があろうとなかろうと中毒症状に陥ります)
そのため、五石散を服用した後は、薬が体内で均等に行き渡るよう絶えず歩き回らなければなりません。これが「行散」と呼ばれ、「散歩」の語源となったとされています。
気ままに歩く「逍遥」

この説の真偽はともかく、中国語には散発を目的に歩き回る「行散」とは別に、特に目的なく歩き回る「逍遥(しょうよう)」というものもあります。
日本では、坪内逍遥 や 中野逍遥 といった明治の作家・詩人のペンネームとして有名ですが、意味としてはこちらの方が私たちの知る散歩に近く、“気ままに楽しむこと”や“自由にあちこち歩き回ること”を指しています。
また、古代ギリシャの哲学者・アリストテレスの学派を「逍遥学派」と言ったりしますが、これも彼がよく歩廊を歩きながら講義を行っていたことに由来します。
散歩の「散」という字にも“気ままに”という意味がありますので、おそらく散歩という言葉が日本に伝わった時には、すでに逍遥のニュアンスが含まれていたのではないでしょうか。
フィットネスとしての価値

現代では「散歩」は健康目的の行動としても親しまれています。
- 血行促進
- ストレス解消
- 脳の活性化
- 軽い脂肪燃焼
など様々な効果があり、忙しい日々の中ではデジタルデトックスの手段としても有効です。
「散歩」が私たちにとって身近なフィットネスであることは、おそらくこの先の時代も変わらなでしょう。
この記事のライター
physica編集部
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