低ければ良い…というものじゃない「理想的な体脂肪率の目安」 - physica
体脂肪率を気にして毎日のように体脂肪計に乗っている方も多いでしょう。実際に体脂肪率は健康のバロメーターとして用いられることが多々あります。
しかし、体脂肪率は低ければ低いほど良いというものでもありません。
健康やパフォーマンスの観点から「ちょうどいい体脂肪率」があるのです。
体脂肪率は、体重に占める脂肪の割合を示した数値です。たとえば、体重60kgで体脂肪率が20%なら、体脂肪は12kgということになります。脂肪はエネルギー源としての役割だけでなく、ホルモン分泌や体温維持、内臓保護などにも関係しており、ゼロにはできない必要な組織です。
理想的な体脂肪率の目安

男性なら10〜20%、女性なら20〜30%前後が健康的な範囲です。
この範囲であれば、見た目もスリムでありながら、ホルモンバランスや免疫機能も安定しやすくなります。
体脂肪率が高すぎると起きるリスク
体脂肪率が高いと、見た目も太って見えてしまいますが、それ以上に以下のような致命的な健康リスクが起こりやすくなります。
- 高血圧
- 脂質異常症(コレステロール値の上昇)
- 2型糖尿病
- 動脈硬化・心筋梗塞
- 脳卒中など
最近発表されたアメリカの研究データ(※1)では、男性で27%以上、女性で44%以上は死亡リスクが高まるとされています。
※1. Body Mass Index vs Body Fat Percentage as a Predictor of Mortality in Adults Aged 20-49 Years. Arch G Mainousら. 2025
体脂肪率が低すぎると起きるリスク
体脂肪率が極端に低いと、見た目は「バキバキ」に見えても、体の中では以下のような不調が起こりやすくなります。
- ホルモン分泌の低下(特に女性では月経不順のリスク)
- 免疫力の低下
- 体温調節機能の低下
- 疲労感や集中力の低下など
特に男性で5%以下、女性で10%以下を長期間維持すると、健康リスクが高まるとされています。
「見た目」と「健康」は一致しない
世間では“シックスパック”や“くびれ”がもてはやされがちですが、見た目の美しさは体脂肪率だけで決まるわけではありません。
筋肉量・姿勢・水分量・皮下脂肪と内臓脂肪のバランスなど、トータルなボディコンディションが重要です。
これらはバランスの良い食事と適度な運動を習慣化することで整います。
体脂肪計の数値はあくまで目安
家庭用体脂肪計は、電気抵抗から体組成を推定する「インピーダンス法」を用いています。
そのため、水分量・食事・時間帯・運動後かどうかなどによって数値は簡単に変動します。朝と夜で3〜5%も差が出ることも珍しくありません。
大切なのは、「1回の数字に一喜一憂せず、長期のトレンドを見る」ことです。
理想は「健康と見た目の両立」
体脂肪率が高すぎるのはもちろん、低すぎることにもリスクがあるので「健康を保ちつつ引き締まった状態」を保てるのがベスト。
日々の変化を見ながら食事や運動量を調節して、自分の体調・見た目・パフォーマンスのバランスをとりましょう。
この記事のライター
physica編集部
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