
通勤は有酸素運動になるのか?日常動作を運動強度で分析してみた - physica
「毎日の通勤って、結構歩くし疲れる。これって運動になるのかな?」
そう思ったことはありませんか?
実は、日常のちょっとした動作も有酸素運動としてカウントできる場合があります。
今回は「通勤」を中心に、日常動作を運動強度で分析してみましょう!
有酸素運動の定義とは?

有酸素運動とは、軽〜中強度(※)で、長時間持続できる運動のこと。
※軽〜中強度とは「最大心拍数の50〜70%」程度(=ちょっと息が弾むけど会話はできるレベル)の強度です。
ただし、「運動の効果を得る」ためには、これに以下のような条件が必要です。
① 使われている筋肉が大きい、または多いこと。
→ 例えば、指先で机をトントン叩くだけでも長く続けられるなら有酸素運動ですが、この場合は使われる筋肉が小さすぎるので、好ましい運動効果は期待できません。効果を得るには、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど、全身または少なくとも脚の筋肉が使われる運動である必要があります。
② 実際に長時間(20分以上)行うこと。
→ 長時間持続できる運動であっても、短時間しか行っていなければ運動効果は期待できません。ただし、この場合の長時間とは「継続時間」である必要はありません。例えば【徒歩15分かけて出勤→8時間のデスクワーク→徒歩15分かけて帰宅】といった場合でも、徒歩の「合計時間」は30分となり有酸素運動の効果は期待できます。
今回は、これらの条件を満たしているものを“有酸素運動”と定義します。
「通勤」の運動強度
また、運動強度の指標に「METs(メッツ)」があります。これは、ただ座っている状態のような安静時を1METsとして数値が大きいほど強度が高いことを表します。
通勤中に行われる軽〜中強度の運動としては以下のようなものが考えられます。
- 電車内で立っている … 約1.5METs
- ゆっくり歩く(時速4km) … 約3METs
- 自転車を漕ぐ … 約4METs
- 速歩き(時速6km) … 約4〜5METs
- 小走りをする… 約6METs
- 階段を上る … 約8METs
通勤スタイル別に見てみよう

1. 自動車通勤 + 徒歩5分未満
→ 有酸素運動にはカウントできない。
2. 駅まで徒歩5分 + 電車内座りっぱなし
→ 強度・時間ともに少なく、有酸素運動にはカウントしづらい。
3. 駅まで徒歩15分 + 電車内立ちっぱなし
→ 合計30分近く歩けば有酸素運動として十分。
4. 自転車通勤(20〜30分)
→ ゆっくり漕いでも4METsほど。早歩き並みの有酸素運動。
5. 駅で階段を選ぶ
→ 1分間の階段昇降はウォーキング数分相当。積み重ねればかなりの有酸素運動に。
結論:通勤は“有酸素運動になる”
つまり「座りっぱなしではない合計20分以上の移動」であれば、通勤も立派な有酸素運動になります。
通勤時間の短い人も、1駅分だけ歩く、建物内はエレベーターではなく階段を使うなど、工夫次第では通勤を有酸素運動にすることが可能です。
「運動時間をわざわざ確保するのが大変」という人は、まずは通勤を“トレーニングタイム”に変えてみましょう!
この記事のライター

physica編集部
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