ラットプルダウンvs懸垂!広背筋を鍛えるならどちらが効果的? - physica

広背筋を鍛える代表的な種目といえば、ラットプルダウンと懸垂(チンニング)。

一見すると似たような動きですが、実はトレーニング効果には違いがあります。

今回は両者の特徴や効果を比較し、広背筋を鍛えるならどちらが優れているのかを解説します。

ラットプルダウン

ラットプルダウン

ラットプルダウンは、マシンに座ってバーを引き下ろす種目。重さをピンで調整できるため、自分の筋力に合わせてトレーニングできるのが大きなメリットです。

懸垂(チンニング)

懸垂

懸垂は、自分の体重を負荷としてバーにぶら下がり体を引き上げる種目。シンプルながら非常に強度が高く、「背中トレの王様」とも呼ばれます。

どちらの方がより広背筋を鍛えられる?

結論から言うと「懸垂」です。

EMG(筋電図)を用いた研究によると、懸垂の方がラットプルダウンよりも広背筋の筋活動が高いという結果が多く報告されています。

例1:Kinematic and electromyographic comparisons between chin-ups and lat-pull down exercises. Kenji Domaら(2013)

例2:Differences in muscle activity during the chin-up versus lat pulldown exercise. Isak Löfquist (2017)

例3:A Comparison of Muscle Activation during the Pull-up and Three Alternative Pulling Exercises. Jennifer K. Hewitら(2018)

これは、ラットプルダウンがOKC(胴体が固定されて手足側が動く運動)であるのに対し、懸垂はCKC(手足が固定されて胴体側が動く運動)であるためと見られています。

※CKCの方が、より多くの筋繊維を活性化する傾向があります。

広背筋を鍛えたいなら「懸垂」が効果的です。

初心者や自力で懸垂ができない人には、アシストマシンがおすすめ。

逆に自重で足らない人は、ベルトを使った荷重懸垂を。

ラットプルダウンの強み

一方で、ラットプルダウンにしかない強みもあります。

それは、動きのバリエーションが多いこと。

前述したようにラットプルダウンはOKCなので、手の動きが自由です。これにより様々な角度でケーブルを引くことにより、広背筋の上部や下部、または片側など、細かく狙った部位を集中的に鍛えることができます。

アタッチメントを替えて片側に集中することも可能。

また、重量の設定が容易であることや、それに伴ってフォームの習得に集中しやすいことも大きなポイント。初心者はラットプルダウンから始めて段階的に懸垂を取り入れていくのも良いでしょう。

中・上級者も、普段は懸垂をメインにして、最後の仕上げや回数(トレーニングボリューム)を稼ぎたいときにラットプルダウンを活用すると効率的です。

効かせる感覚が大切

単純な広背筋への刺激だけで比べれば懸垂に軍配が上がりますが、大切なのはどちらも正しいフォームでしっかり筋肉に効かせること。

自分のレベルや目的に合わせてラットプルダウンと懸垂を組み合わせることで、理想の逆三角形に近づけます。

この記事のライター

physica編集部

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