
筋トレは「上げる」より「下ろす」方がキツい?その理由を解説 - physica
筋トレをしていると、「重りを持ち上げるより下ろす方がキツい」と感じたことはありませんか?
実はこれ、単なる気のせいではなく、筋肉の働き方に理由があります。
「上げる」と「下ろす」で筋肉の働き方が違う
例えば、ダンベルカールは上腕二頭筋を使いますが、ダンベルを上げる時と下ろす時では筋肉の収縮のしかたが違います。

・ダンベルを上げる時 :短縮性収縮(コンセントリック収縮)→ 筋肉が縮みながら力を出す
・ダンベルを下ろす時:伸張性収縮(エキセントリック収縮)→ 筋肉が伸びながら力を出す
この「伸張性収縮(エキセントリック収縮)」が負荷を強く感じる原因です。
下ろす動作(伸張性収縮)がキツい理由
説明を単純化するために、あなたの上腕二頭筋が10本の筋繊維からできていて、1本あたり1kgのダンベルを持ち上げる力があったと仮定します。
つまりあなたは最大で10kgのダンベルを持ち上げることができるわけですが、これを下ろす時に10本全てに力を入れたままではダンベルが下りてきません。
下ろす時は、動員する筋繊維を5本に減らします。そうすることで、ダンベルを持ち上げる力は5kgになって、10kgのダンベルは重力に引っ張られながらゆっくり下りてきます。
しかしこの状態というのは、残った5本の筋繊維にしてみればかなり過酷です。1本あたりにかかる負荷は上げる時の倍になり、全力を出しながらも重さは支えきれず、無理矢理引き伸ばされて所々が損傷したりもします。
これが伸張性収縮がキツい理由です。筋肉痛の主な原因もこれと言われています。

坂道や階段の下りが筋肉痛になりやすいのも同じ理由
また、筋肉を伸ばしながらコントロールする方が神経系にとっては難しくエネルギー効率が悪いため、疲労感も強くなります。
下ろす動作を意識したトレーニング法
しかし、この特性をうまく利用するとトレーニングの筋肥大効果を高めることができます。初心者には向きませんが、以下のような方法があります。
重りを上げるときは補助してもらい、下ろすときに自分でコントロールしてゆっくり下げる。
重りを上げるときは反動を使い、下ろすときに自分でコントロールしてゆっくり下げる。
ただし、伸張性収縮は筋繊維へのダメージが大きいため無理は禁物です。また、初心者は自力で持ち上げられる重量で下ろす動作を丁寧に行うだけでも十分な筋肥大効果は得られます。
これらの方法は、あくまで中・上級者の選択肢の一つとしてトレーニングに取り入れてみてください。
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