
【歴史で辿る】マラソンの起源と現代までの物語 - physica
42.195km──。
マラソンは世界中で愛されるスポーツですが、その距離や名前の由来には古代ギリシャの物語が関わっています。
マラソンの起源から現代までの歴史を紐解いていきましょう。
1. マラソンの起源

19世紀イギリスの詩人ロバート・ブラウニングの詩によれば──
紀元前490年、古代ギリシャとペルシア帝国が戦ったマラトンの戦いでギリシャ軍はマラトン平原でペルシア軍を撃退。その勝利をアテネ市民に知らせるため、兵士フェイディピデス(Pheidippides)がマラトンからアテネまで約40kmの距離を一気に走り抜け、アテネにて「我ら勝てり!」と告げたあと力尽きて息絶えたとされています。

勝利を伝えるフェイディピデス
この物語が、のちのマラソン競技の原型となりました。
2. 近代オリンピックでの復活

1896年、アテネで行われた第1回近代オリンピックで、この伝説を再現する競技としてマラソンが採用されました。
当初の距離はおよそ40kmで、マラトン村からアテネの競技場までを走るコースでした。
3. 42.195kmの由来

現在の距離42.195kmが初めて採用されたのは、1908年の第4回ロンドンオリンピックです。
当時のコースはウィンザー城からロンドンの競技場までの約26マイル(41.8km)でしたが、ゴールを国王が観覧しやすい位置に調整した結果、26マイル+385ヤード(42.195km)となったと言われています。
その後は、1926年の第8回パリオリンピック以降現在に至るまで42.195kmで統一されています。
4. もう一つの伝説

古代ギリシャの歴史家ヘロドトスの遺した書物『歴史』には、前述のブラウニングが語った伝説とはまた違った記載が見られます。
それは、マラトンの戦いでフェイディピデスが走ったのはアテネに戦いの勝利を告げるためではなく、アテネからスパルタに援軍を求めるためであったというもの。そのため、走った距離もマラトン→アテネ間の約40kmではなくアテネ→スパルタ間の約250kmだとのことです。
この歴史に基づいているのが、アテネからスパルタまでの246kmを走るウルトラマラソンの大会「スパルタスロン」です。
5. そして現在

現在、マラソンはオリンピックや世界選手権だけでなく、市民ランナーの間でも盛んな競技の一つです。
東京マラソンやボストンマラソンのような都市型大会は世界中から参加者が集まり、健康やチャリティ活動の場としても重要な役割を果たしています。
古代ギリシャから始まり2500年以上の時間を走り続けてきたマラソンの歴史。その背景を知ると、42.195kmの重みやロマンもさらに深まりますね!
この記事のライター

physica編集部
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