
軽い重量で筋肥大!?血流制限トレーニング(BFR)の効果と安全に行うために - physica
こんにちは、フィジカ編集部です。
「重いダンベルを使わないと筋肉はつかない」
そんなこれまでの常識を覆した血流制限トレーニング(BFR:Blood Flow Restriction Training)。
今回は、軽い負荷でも効率的に筋肉を鍛えることができるトレーニング方法として話題となったBFRの仕組みや効果、安全に行うためのポイントを解説します。
血流制限トレーニング(BFR)とは?

BFRは、『加圧トレーニング』に代表される、腕や脚の付け根を専用のバンドやチューブで締めて行うトレーニング方法です。
ポイントは「血液の流れを部分的に制限」すること。
これにより、軽い負荷でも、筋肉が強いストレスを感じて高重量トレーニングと同等の筋肥大効果を得られるとされています。
BFRの主な効果

1. 低負荷で筋肥大を実現
研究では、BFRにより筋肉内の代謝ストレスが高まり、成長ホルモンが大量に分泌。これにより軽い重量(通常の20~30%程度の重量)のトレーニングでも筋肥大の効果が期待できることが報告されています。
2. 関節への負担が少ない
重いウェイトを使わないため、ひざや肩など関節にやさしく、ケガやリハビリ中の人にも適しています。
3. 持久力アップにも効果的
筋肉が酸素不足になることで、速筋だけでなく遅筋にも刺激が入り、持久力の向上にもつながります。
4. 成長ホルモンによる回復促進
BFRでは通常のトレーニングよりも成長ホルモンが分泌されやすく、筋肉や腱、靭帯の回復も促進されます。
参考文献:「血流制限トレーニング」安田智洋, トレーニング科学 31 (4), 169-178, 2020
安全に行うための注意点

✔︎圧迫の強さ
きつすぎると血流が完全に止まり危険 目安:10段階の圧で4~6程度(少し締まっているが痛みはない状態)
✔︎トレーニング負荷
1RM(最大重量)の20~30% 例:通常50kgで行うベンチプレスなら、BFRでは10~15kg程度
✔︎セット数と休憩
15〜30回 × 3〜4セット インターバルは短め(30秒程度)
✔︎トレーニング時間
1部位あたり5〜10分が目安 長時間の制限は避ける
✔︎医師・専門家に相談
まず、深部静脈血栓症や妊娠中の方は、BFRは絶対行わないようにしましょう。
高血圧や心疾患がある方は必ず医師に確認しましょう。専門のバンドなども市販されていますが、自己流で行うよりも専門トレーナーの指導のもとで行う方が安全です。
まとめ
血流制限トレーニング(BFR)は、軽負荷でも筋肥大効果が期待でき、関節にやさしくリハビリや高齢者にも適用できたり、成長ホルモンの分泌で回復力が高まるといった多くのメリットがあります。
ただし、やり方を誤ると貧血や皮下出血、肌のかぶれなどのデメリットも存在します。稀有な例ですが、過去に挫滅症候群(クラッシュ症候群)の発症事例もあるため、正しい圧迫強度・短時間・専門家の指導を守って安全に取り入れましょう。
この記事のライター

physica編集部
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