筋トレの基本セット、なぜ「10回×3セット」なのか?初心者も納得の“理由”を徹底解説! - physica

こんにちは、フィジカ編集部です。

筋トレメニューでよく目にする

(ギリギリ10回できる重さで)「10回×3セット」

トレーニングメニュー

実際、これは多くの人にとって筋力強化と筋肥大を期待できるトレーニング負荷で、とくに初心者の指標として非常にわかりやすい回数・セット数でもあります。

しかし、その根拠を説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。

今回は「なぜ一般的な筋トレのメニューは10回×3セットを推奨するのか?」について、具体的に解説していきたいと思います。

前提として

構造的な話になりますが、筋肉(筋繊維)は「筋原繊維」と「筋形質」という、大きく分けて二つのパーツからできています。

筋繊維
筋肉 = 筋原繊維 + 筋形質

・筋原繊維 → 筋肉の収縮に関わる部分

・筋形質 → それ以外の部分(収縮に必要なエネルギーを送る部分)

ということで、一口に筋肉を鍛えると言っても

筋力強化(強くする)のためには、収縮に関わる筋原繊維

筋肥大(大きくする)のためには、筋形質を含めた筋肉全体

を鍛える必要があるわけです。

しかし、実はこれらは鍛えるために適した負荷がそれぞれ違い

筋原繊維は「高重量・低回数(1回〜5回)

筋形質は「中重量・高回数(13回〜)

が最も効果的な負荷となります。

これを踏まえて「10回×3セット」である理由を説明します。

「10回」の理由

理由①:筋肉全体をバランス良く鍛えられる

筋肉全体をバランス良く鍛える

10回という回数は、筋原繊維を鍛える「低回数(1回〜5回)」と、筋形質を鍛える「高回数(13回〜)」のちょうど間くらいの回数となります。

どっちつかずですが、どちらもバランス良く鍛えられるという意味では、汎用性の高い回数と言えます。

理由②:わかりやすい

わかりやすいトレーニングメニュー

また「10」という数字は、シンプルに数えやすいし、覚えやすいです。

上記(理由①)の条件で言えば「6回〜12回」でも良いのですが、対象が初心者であれば、やはりわかりやすさを取って「10回」が妥当と思われます。

「3セット」の理由

理由①:しっかり刺激を与えられる

筋トレで追い込む男性

とくに筋原繊維を鍛える場合、ある程度筋肉を追い込んで、その力を使い切る(いわゆる「オールアウト」させる)ことが重要です。

しかし、一方で「人間は本来の筋力の60%ほどしか出せないようになっている」と言われるように、人間には自分の筋力で自分の体を壊さないためのリミッター機能がついています。

このリミッターは訓練である程度外すことができて、熟練者であれば1〜2セットのトレーニングで本当の限界近くまで筋肉を追い込むこともできるのですが、初心者にそれはまず不可能です。

なので初心者の場合は、疲労を重ねるという方法で筋肉を追い込むために「3セットはやりましょう」ということになります。

理由②:ボリュームを確保できる

トレーニングボリューム

単純に1セットよりも3セット行う方が筋肉への総負荷(ボリューム)が増え、筋肥大のためのシグナルが強まります。

例)10kg × 10回 × 1セット = 100kg

例)10kg × 10回 × 3セット = 300kg

※ ただし、セット数を増やせば増やすほど良いというわけではなく、回復力や疲労の蓄積も考慮する必要があります。

これに関しては、米国A.T.スティル大学で行われたマシュー・R・レア博士らのメタ分析(2002)でも、「1セットよりも3セットの方が筋肥大と筋力増加に有意に効果がある」、「週当たりの総トレーニング量としても、10回×3セットを複数部位で行えば、週あたりの“最小有効ボリューム”を満たしやすい構成となる」と報告されています。

理由③:フォーム習得にもちょうどいい

筋トレのフォームチェックをする女性

筋トレ初心者にとっては、正しいフォームを身につけることも重要です。

1セット目:フォーム確認

2セット目:より意識して効かせる

3セット目:追い込み・限界への挑戦

このように3セット構成は【練習→本番→仕上げ】のような流れを自然に作ることができ、集中力も持続しやすいというメリットがあります。

まとめ

このように「10回×3セット」は、単なる慣例ではなく、多くの人にとって理にかなったセット構成となっています。

もちろん、筋肉の部位によっては必ずしもこれが最適ではないですし、重量を増やして回数を減らしたり、インターバルを変えたりして、トレーニングの負荷に変化を取り入れていくことも大切です。

とはいえ、初心者の方はまず「10回×3セット」で筋トレの世界に慣れ、自分の体の反応を見ながら次のステップへ進んでいくのがおすすめ。

段階的にメニューを見直し、理想の体を目指しましょう!

この記事のライター

physica編集部

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