
その常識、実はちょっと違うかも?腰痛にまつわる5つの誤解 - physica
こんにちは、フィジカ編集部です。
腰痛は、日本人の約8割が一生に一度は経験するといわれるほど身近な症状です。しかし、腰痛について誤った知識を持っていると、症状を悪化させたり、治るはずの痛みが長引いてしまうことにもなりかねません。
今日は、腰痛にまつわるよくある誤解について解説し、正しい対処法をご紹介します。腰痛で悩んでいる方、予防したい方はぜひ最後まで読んでみてください。
腰痛にまつわる5つの誤解
誤解1:腰が痛いときは安静にすべき

よく腰が痛いときは動かしてはいけないと思われがちですが、実はこれはケースバイケースです。
ギックリ腰の急性期(発症直後の激しい痛みのある期間)などは安静が必要ですが、腰の痛みが3ヶ月以上続くような慢性腰痛の場合、過度な安静は筋力低下や柔軟性の喪失を招き、かえって回復を遅らせる可能性があります。
慢性腰痛は、痛みに配慮しながら少しずつ体を動かすことで、血行が促進され、筋肉や靭帯の回復を促すことができます。

軽いストレッチやウォーキングなどの運動が効果的。
誤解2:腰痛持ちは腹筋を鍛えるべき

「腰痛には腹筋を鍛えるのが良い」という考えは、広く浸透しています。確かに、体幹の筋肉は腰を支える上で重要ですが、ただ腹筋を鍛えるだけでは不十分な場合があります。
腰痛の原因は様々で、筋力不足だけが原因とは限りません。むしろ、特定の筋肉だけを鍛えるとかえってバランスを崩し、腰痛を悪化させる可能性もあります。
「腰痛には腹筋を鍛えるのが良い」の本質は、腹筋だけでなく背筋、脇腹の筋肉(腰方形筋や腹斜筋)、そして腹横筋など、体幹全体のバランスを整え、腰に負担のかかりにくい姿勢を保持した上で腹圧(※)を高めることです。
※腹圧…腹腔内圧。お腹の内側にかかる圧力のこと。コルセットをきつく締めた時などに感じるアレ。
誤解3:ヘルニアになったら手術しかない

椎間板ヘルニアと診断されると、「もう手術しかない」と悲観的に考えてしまう方もいるかもしれません。
根治させるにはそうです。しかし実際には、ヘルニアと診断された方の多くは、手術なしでも症状が改善しています。
椎間板ヘルニアによる腰痛や神経痛は、時間経過とともに自然に改善することがあります。保存療法(安静、薬物療法、理学療法など)を根気強く行うことで、多くの方が日常生活を取り戻しています。
もちろん、症状が重度で日常生活に支障をきたす場合や、排泄障害などの深刻な症状が見られる場合には、手術が選択肢となることもあります。しかし、「ヘルニア=即手術」というわけではありません。
誤解4:痛いところをマッサージすれば治る

マッサージは、筋肉の緊張を和らげ、一時的に痛みを軽減する効果が期待できます。
しかし、マッサージだけで腰痛が根本的に治るわけではありません。
腰痛の原因が、筋肉の緊張だけでなく、骨格の歪み、不良姿勢、筋力不足など、他の要因にある場合、マッサージだけでは一時的な緩和にしかなりません。また、痛めたばかりの急性期は患部が炎症を起こしていることも多いため、そこをマッサージすることで症状が悪化してしまう場合もあります。(急性の場合"温める"のも逆効果)
マッサージは、あくまで対症療法の一つとして考え、原因となっている根本的な問題に対処することが重要です。
誤解5:腰痛は年を取れば誰でもなるもの

「年だから仕方ない…」と、腰痛を年齢のせいにして諦めていませんか?
確かに、加齢に伴い椎間板の変性や関節の機能低下などが起こりやすくなりますが、高齢者でも腰痛を発症しない人はいますし、逆に若い世代でも、長時間のデスクワークや運動不足、不良姿勢、ストレスなど、様々な要因で腰痛を発症する可能性はあります。
つまりは年齢に関わらず、日頃から適切な予防策を講じることで、腰痛のリスクを減らすことができるということです。
今回は、腰痛にまつわる5つの誤解について解説しました。
これらの誤解を解き、正しい知識を持つことが、腰痛の予防や改善への第一歩となります。もしあなたが腰痛に悩んでいるなら、自己判断せずに専門医に相談し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう
この記事のライター

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