【高齢者向け】安全で効果的な筋力トレーニングガイド - physica

こんにちは、フィジカ編集部です。

年齢を重ねると「もう筋トレは遅いのでは?」と思う方も多いかもしれません。しかし、筋力トレーニングは何歳からでも始めることができ、健康維持に大きな効果をもたらします。

実際に、高齢者の方が筋力トレーニングを取り入れることで、転倒予防、日常生活の自立、心身の健康維持に役立つことが多くの研究で示されています。

今回は、高齢者におすすめのエクササイズと安全で効果的に筋力トレーニングを行うためのポイントをご紹介します。

高齢者に筋力トレーニングが必要な理由

年齢とともに筋肉量は自然と減少します。この現象は「サルコペニア」と呼ばれ、特にこれに伴う下半身の筋力低下は転倒リスクの増加や歩行困難などに直結します。

つまり、筋トレで筋力を維持することは"自立した生活"を維持することにつながるのです。

筋トレの主な効果

• 転倒・骨折リスクの低下
• 歩行能力やバランス感覚の向上
• 日常生活動作(ADL)の維持
• 骨密度の維持・向上(骨粗しょう症予防)
• 糖尿病や高血圧など生活習慣病の予防
• うつ症状や認知機能の改善効果も期待

おすすめの筋力トレーニングメニュー

筋力トレーニングといっても、それほど難しいことはありません。高齢者の健康維持・サルコペニア予防が目的であれば、鍛えるべき筋肉(筋力を落としたくない筋肉)もほぼ下半身の筋肉に絞られてきます。

以下に、おすすめのトレーニングを紹介します。

椅子スクワット

椅子スクワット

効果: 太もも・体幹の強化、立ち上がり動作の強化

やり方:

①椅子に座り、背すじは伸ばしたまま上体をやや前に倒し、足に体重を乗せます。
②そのまま脚に力を入れて立ち上がります。
③ゆっくり腰を下ろして椅子に座ります。
※これを10回繰り返します。

ポイント: 立ち上がる時に膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。バランスを崩しやすい方は、テーブルなどに掴まりながら行いましょう。

バックランジ

バックランジ

効果: 下半身の筋力強化、階段や坂道などの「登る」動作の強化、バランス感覚の向上

やり方:

①足は腰幅に開き背すじを伸ばして立ちます。
②片足を後ろに引きます。
③そのまま真下に腰を落としします。
④引いた足を元に戻します。
※これを左右交互に5回ずつ、計10回繰り返します。

ポイント: 動作中、背中が丸まらないように注意しましょう。バランスが崩れやすい方は机や椅子の背もたれなどに掴まりながら行いましょう。

かかと上げ(カーフレイズ)

カーフレイズ

効果: ふくらはぎの強化、「歩く」動作の強化、バランス感覚の向上

やり方:

①壁や椅子に手を添えて立ちます。
②ゆっくりとかかとを上げ、つま先立ちになります。
③ゆっくりかかとを下ろします。
※これを15〜20回繰り返します。

ポイント: 慣れてきたら片足で行ってみましょう。

安全に筋トレを行うためのポイント

① 医師への相談

持病がある場合(心疾患、高血圧、糖尿病、整形外科疾患など)は、事前に医師に相談し、運動の許可を得てから行いましょう。

② 筋トレの前にウォーミングアップを

軽いストレッチや関節を動かす運動(膝の屈伸やアキレス腱伸ばしなど)で身体を温め、ケガのリスクを減らします。

③ ゆっくりとした動作を心がける

反動を使わず、筋肉を意識してゆっくり動かすことで効果がアップします。

④ 呼吸を止めない

息を止めると血圧が急上昇することがあります。「力を入れるときに吐く」を意識します。

⑤ 無理をしない

疲れたらすぐに休憩しましょう。痛みや不調を感じたら中止し、無理をしないことが大切です。また、筋肉は休んでいる間に成長するので週2〜3回の頻度で十分です。毎日やる必要はありません。

こんな時は運動を中止!注意すべき症状

特に以下の症状が出た場合は、すぐに運動を中止して休み、必要なら医師に相談してください。

• 胸の痛みや圧迫感
• 強い息切れやめまい
• ふらつきやバランスの喪失
• 強い関節痛や筋肉痛
• 動悸や冷や汗

筋トレは“年齢に関係なく効果あり”!

筋力トレーニングは生活の質(QOL)を向上させる最高の習慣です。「継続は力なり」と言いますが、少しずつ続けることで年齢に関係なく確実に体は変わります。まずは安全第一で、無理のない範囲から始めましょう。

この記事のライター

physica編集部

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