敬老の日に考えたい「健康寿命」──何歳まで生きるかより、何歳まで動けるか - physica

9月の第3月曜日は「敬老の日」です。

長生きをしていることを喜び、長年社会に貢献してきた人を敬う日ですが、健康について考えるきっかけとしても、とても良い日ではないでしょうか。

さて、そんな今日は高齢者の「健康寿命」について考えてみたいと思います。

健康寿命とは

医学の進歩によって、私たちは以前より長く生きられるようになりました。

しかし、寿命が長くなることと、健康上の制限なく生活できる期間が長くなることは、必ずしも同じではありません。

そこで重要になるのが「健康寿命」という考え方です。

健康寿命とは、簡単にいえば、健康上の問題によって日常生活が制限されることなく生活できる期間のこと。

たとえば

  • 自分で買い物に行ける
  • 階段を上り下りできる
  • 電車やバスで出かけられる
  • 趣味を楽しめる
  • 旅行に行ける
  • 家族や友人と食事に出かけられる

こうした「普通の生活」を自分の力で続けられることも、健康の大切な一部です。

「歩ける」は当たり前ではない

若いうちは、歩くことを特別な能力だとは考えません。

立ち上がって、歩いて、階段を上って、物を持つ。どれも当たり前の動作です。

しかし、年齢を重ねると筋力やバランス能力、持久力などが少しずつ低下し、こうした日常動作にも影響が出てくることがあります。

特に重要なのが下半身の筋力です。

椅子から立ち上がる、階段を上る、段差をまたぐ、転倒を防ぐ。

これらには脚の筋力だけでなく、股関節や体幹、バランス能力など、全身の機能が関わっています。

だからこそ、年齢を重ねるほど「歩く」「立つ」「しゃがむ」といった基本的な動作を維持することが重要になります。

運動は若者だけのものではない

運動というと、若い人が筋肉を大きくしたり、スポーツのパフォーマンスを高めたりするためのもの、というイメージがあるかもしれません。

しかし運動の役割は、それだけではありません。高齢者にとっても、筋力を維持することは日常生活を支える重要な要素になります。

たとえばスクワット。

ジムでバーベルを担いで行う必要はありません。椅子から立ち上がる動作を繰り返すだけでも、脚の筋肉を使います。

つまり、「椅子から立つ」という日常動作そのものが、立派なトレーニングになる。ということです。

もちろん、体力や持病、関節の状態などによって適切な運動は変わります。無理をせず、自分の体に合った方法で行うことが大切です。

筋肉は人生を楽しむための資産

旅行に行く。

好きな店まで歩く。

孫と遊ぶ。

趣味を楽しむ。

友人と出かける。

自分で買い物をする。

こうした生活を支える「体力」や「筋力」は、人生を楽しむための土台になります。

だから運動は、単に筋肉を増やすためだけのものではありません。

「これからも自分のやりたいことを、自分の体で楽しむための資産形成」

と考えることもできます。

敬老の日は、これからの体を考えてみよう

敬老の日というと、高齢者にプレゼントを贈ったり、家族で食事をしたりする日というイメージがあります。

もちろん、それも素敵な過ごし方です。

でも、せっかくなら「これからも元気で過ごすためには何ができるだろう?」と考えてみるのもいいでしょう。

そしてこれは、高齢者だけの問題ではありません。今は元気に動けている人も、年齢を重ねれば少しずつ体は変化していきます。

つまり健康な未来のための準備は、未来の自分へのプレゼントでもあります。

「何歳まで生きるか」から「何歳まで楽しめるか」へ

長生きすることはもちろん大切です。

でも、その時間をどのように過ごすのかも同じくらい大切ではないでしょうか。

何歳になっても、自分の足で歩き、自分の好きな場所へ行き、自分の好きなことを楽しむ。

そのために、今できる運動を少しずつ続けていく。

敬老の日は、人生の先輩たちに感謝するだけでなく、自分自身のこれからの健康について考える日にしてみてもいいかもしれません。

「体が資本」という言葉があります。

若いうちはその意味を実感しにくいものですが、年齢を重ねるほど、その言葉の重みは増していきます。

今日の運動が、10年後、20年後の「やりたいこと」を支えてくれるかもしれません。

この記事のライター

physica編集部

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