軽い重量でも筋肥大はできるのか - physica
筋肥大には適した重量設定というものがあります。これは一般的に70〜80%1RM(全力で1回だけ挙げられる重さの70〜80%)と言われており、このそこそこ重い重量で8〜12回のセットをこなすのが筋肥大に効果的とされています。
しかし、実はこれより遥かに軽い重量でも十分に筋肥大を起こせることがアプローチ次第では可能だったりします。
筋肥大には速筋繊維を刺激する必要がある
筋肉は大きく分けて、遅筋繊維と速筋繊維という2種類の筋線維で構成されています。

遅筋繊維は持久力に優れ、長時間の活動を得意としています。一方の速筋繊維は大きな力を発揮することが得意で、筋肥大しやすいという特徴があります。
筋肉を大きくしたいのであれば、この速筋繊維をしっかり動員することが重要になります。
サイズの原理
では、軽い重量でトレーニングをすると速筋繊維はどうなるのでしょうか。
ここで重要になるのが「サイズの原理」です。
人間の筋肉は、まず小さくて疲れにくい運動単位(主に遅筋繊維を動かす)から動員され、必要な力が大きくなるにつれて大きな運動単位(主に速筋繊維を動かす)が追加されていきます。
つまり、軽い重量で数回しか行わない場合、速筋繊維まで十分に刺激が届かず、筋肥大効果は限定的になりやすいのです。
ただし「例外」がある
しかしサイズの原理には興味深い例外があります。
それが筋内を酸欠状態に近づけた場合です。
これを利用した代表的なものに加圧トレーニングやスロートレーニングがあります。
加圧トレーニング(BFRトレーニング)
加圧トレーニングは専用のベルトで血流を適度に制限しながら運動を行います。
すると筋肉内に疲労物質が蓄積しやすくなり、軽い重量でも筋肉は「非常にきつい運動をしている」と認識します。
その結果、本来なら重い重量でしか動員されない速筋繊維が活動しやすくなると考えられています。
スロートレーニング
スロートレーニングは反動を使わず、ゆっくりとした動作で筋肉に継続的な緊張を与える方法です。
筋肉を休ませる時間が少なくなるため、血流が制限されやすくなり、筋肉内は酸素不足の状態に近づきます。
これによって疲労が蓄積し、軽い重量でも高い筋活動が引き出されます。
「軽い=楽」ではない

加圧トレーニングにしてもスロートレーニングにしても、軽い重量で筋肥大を狙う場合、多くは限界近くまで反復する必要があります。
例えば軽いベンチプレスを10回で終えるのではなく、20回、30回、あるいはそれ以上行ったり極度にゆっくり行いことで筋肉を強く疲労させなければなりません。
実際に軽い重量で限界まで追い込んだ経験がある人ならわかると思いますが、筋肉が焼け付くような感覚になり、決して楽ではありません。
重い重量は関節や神経系への負担が大きい一方、軽い重量は筋肉の局所的な苦しさが非常に強くなります。
結局のところ、筋肉を成長させるためには何らかの形で強い刺激が必要なのです。重い重量にしても軽い重量にしても、自分の体力や関節の状態に合わせて無理なく継続できる方法を選ぶことが大切でしょう。
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