【からだの科学】血はなぜ赤い? - physica

私たちの体に流れる血の色といえば赤色が当たり前ですが、「なぜ赤いのか?」と聞かれると、即答できない方も多いのではないでしょうか。

今回は、血液が赤い理由から、意外とおもしろい「からだの科学」に迫ってみたいと思います。

血液の赤色の正体は「ヘモグロビン」

ヘモグロビン

私たちの血液が赤い理由は、赤血球の中に含まれる「ヘモグロビン」にあります。

ヘモグロビンは肺で酸素を受け取り、全身の細胞へ運ぶ役割を持ったタンパク質。このヘモグロビンが酸素と結びつくことで血液は赤く見えるのです。

錆びると赤くなる“鉄と酸素の化学反応”

では、なぜヘモグロビンが酸素と結びつくと赤くなるかというと、それはヘモグロビンに「ヘム」という「鉄」が含まれているから。

イメージしやすいのは「鉄サビ」です。公園の古い遊具や鉄が錆びると、赤茶色になりますよね。あれは鉄が空気中の酸素と結びついて酸化した姿です。

▲錆びた鉄

これと似たような現象が、私たちの体の中でも起きています。私たちの場合は、肺で取り込まれた酸素がヘモグロビン中の鉄と結合することで、鮮やかな赤色(酸化ヘモグロビン)に変化するのです。

鉄じゃなくても酸素は運べる

私たち人間を含めた多くの脊椎動物が「鉄」を利用して酸素を体中に運んでいるのですが

実は、鉄でなくとも酸素は運べます。

例えば、コバルトやニッケルや銅。化学の授業でお馴染みの元素周期表で鉄の横に並んでいる、いわゆる「重金属」と呼ばれる元素です。

▲元素周期表

これらも鉄と同じように“酸素と結合しやすい”という性質を持っています。

実際に鉄以外で酸素を運んでいる生物もいる

料理をする方なら、生きたイカやタコ、エビなどの血液が青いのをご存知ではないでしょうか。

これは、彼らの血液には鉄の代わりに「銅」が含まれているため。10円玉が錆びると青くなるのと同じ原理で、銅は酸素と結びつくと青色になるのです。

生物は、それぞれの進化の過程や生息環境に合わせて、最も効率の良い方法で酸素を運ぶシステムを作り上げてきたわけですね。

私たちの命を支える「赤」

もし「最近疲れやすいな」「息が上がりやすいな」と感じたら、それはヘモグロビンの材料である鉄分が不足して、血液のパワーが落ちているサイン(貧血)かもしれません。

私たちの命を循環させる燃えるような赤。その色に感謝しつつ、日頃の食事でも必要量の鉄分は補給して、健康な血液を維持したいですね。

この記事のライター

physica編集部

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