体脂肪を落としすぎると起こること - physica
ダイエットやボディメイクの世界では「体脂肪率は低ければ低いほど良い」と思われがちです。しかし、実は体脂肪は私たちの生命維持において、極めて重要な役割を果たす「最大のエネルギー貯蔵庫」であり「内分泌器官」でもあります。
今回は、体脂肪を落としすぎることで生じるデメリットと健康リスクについて解説します。

免疫力の低下と慢性的な疲労感

体脂肪は、エネルギーが枯渇した時の予備燃料であるだけでなく、免疫系を正常に働かせるためのシグナルも発信しています。
体脂肪率が低すぎると、エネルギー不足を感知した脳が「省エネモード」に切り替わり、免疫細胞の生成を後回しにします。その結果、風邪をひきやすくなったり、一度体調を崩すと治りにくくなったりするのです。また、常にガス欠のような状態が続くため、朝の目覚めが悪く、日中も激しい疲労感に襲われることが増えてしまいます。
ホルモンバランスの乱れ

脂肪組織は、ホルモンを分泌・代謝する場所でもあります。体脂肪が極端に減少すると、以下のようなホルモンの乱れが生じます。
• レプチンの減少: 食欲を抑え、代謝をコントロールする「レプチン」が減り、逆に食欲が暴走しやすくなったり、代謝が極端に落ちたりします。
• 性ホルモンの低下: 男性はテストステロンが低下して性欲減退や筋力低下を招き、女性はエストロゲンの不足により月経不順や無月経のリスクが高まります。
骨密度への影響

体脂肪の減少は「骨」にもダメージを与えます。特に女性の場合、脂肪細胞から分泌されるエストロゲンが骨の健康を維持しているため、体脂肪率が低すぎると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のリスクが急上昇します。
また、男性であっても、エネルギー不足状態が続くと骨の代謝回転が悪くなり、疲労骨折などを起こしやすい脆い骨になってしまうことが研究で示されています。
メンタルヘルスへの影響

体脂肪が極端に少ない状態は、身体にとっては一種のストレスであり、精神面にも影響を及ぼします。
体内のセロトニンなどの「幸せホルモン」の合成には、一定のエネルギー量が必要です。体脂肪率が低い状態が続くと、イライラしやすくなったり、不安感が強まったり、集中力が著しく低下したりすることがあります。
理想の体脂肪率とは?

バキバキに割れた腹筋は魅力的ですが、それを年間通じて維持することは、生物学的にはかなりの「無理」を強いていることになります。
健康と活力を維持するための、一般的な目安は以下の通りです。
• 男性: 10〜15%程度
• 女性: 20〜25%程度
この範囲を大幅に下回る場合は、見た目の美しさと引き換えに、大切な健康を損なっていないか立ち止まって考える必要があります。
「絞ること」が目的になりすぎていないか。今一度、自分の身体の声に耳を傾けてみましょう。「健康的な身体」こそが、最高のパフォーマンスを生む土台です。
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